フジ(マメ科)花言葉は、恋に酔う;懐かしい思い出。落葉蔓性の植物で、幹は10m以上にもなり、庭園や公園などに棚づくりにして栽培される。晩春長い花房を垂れ、薄紫色の優雅な蝶形の四弁花を開く。藤の蔓は右巻だが、「山藤」は植物学的には別種で、蔓が左巻きであり、花房が短く花期が早い。風に揺れる藤浪の幽艶な美しさは、春を送るにふさわしい。埼玉県春日部市の牛島の藤は、花穂の長い九尺藤というう品種で特別記念物に指定されている。三鷹の周辺では、京王線布田駅近くの甲州街道沿いのお寺に藤棚があり、また京王閣の競技場の公園にも藤が植えられている。山野に自生するマメ科の蔓性植物の花。晩春に紫色の蝶片花を長く総状にたくさんつけるのが野田藤。花房が短いのは山藤。野田藤の名は足利義詮.豊臣秀吉が摂津国(大阪府)の野田の藤を愛でたことに由来するという。棚に仕立てて垂れる花房を楽しむ。「草臥て宿かる比や藤の花 芭 蕉」「針もてばねむたきまぶた藤の雨 杉田久女」「炊きとなう前のしずけさ藤映える 鷲谷七菜子」「藤ゆたか幹蛇身をかくしゐて 鍵和田柚子」「白藤や揺りやみしかばうすみどり 芝不器男」「白藤に王朝の夜のあるごとし 大串 章」「藤の房ふかるるほどになりにけり 三橋鷹女」「藤房の盛り上がらむとしては垂れ 鷲羽狩行」「藤浪のゆらぎがかくす有為の山 能村登四郎」「藤棚の中にも雨の降りはじむ 三村純也」「藤の昼膝やはらかくひとに逢う 桂 信子」「一つ長き夜の藤房をまのあたり 高浜虚子」「藤の花まゆげほどなり垂れそむる 軽部鳥頭子」「花藤や母が家厠紙白し 中村草田男」「藤咲くや水ゆたかに使ひ馴れ 馬場移公子」「藤咲いて身に添う風も藤色に 渡辺千枝子」。(藤の花 白き色なり 数知れず ケイスケ)
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