川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

桜島山

2008-09-06 05:38:15 | 父・家族・自分
 古いアルバムに残されたわが文芸作品(?)、続き。

 

 秋まだき 薩摩の国に 来てみれば
 
   群雲動く  桜島山 
             (急行「しろやま」で)


 薩摩なる 火の島かげの 遠き空

   群雲高く  高千穂のみゆ
              (フェリーボートで)



 1964年10月、東京オリンピックのさなかに九州ひとり旅をしたことはまえにかきましたが、鹿児島に着いたのは21日です。

 21日 8:31 川内発(急・しろやま)
     9:30 鹿児島着
    14:47 鹿児島発(急・日南)
    17:03 宮崎着 育英友の会旅館泊

 鹿児島大学新聞会は訪ねる気がなかったようです。アルバムに書かれている興奮気味の文章です。

 タクシーで桟橋に急行した。何よりもまず桜島だ。
 たまらなく素晴らしかった。札幌よりも、長崎よりも。
 高知のまちに巨大なアクセントをつけた感じ。
 桜島のある鹿児島は今やぼくのこころのまちとなった。

 むら雲がかかって、噴煙はみえない。溶岩の谷間に
 火山灰を浴びながら(空から灰が降るのだということを
 初めて知覚した)すこし残念だった。
 汗ばみながら登った城山。
 桜島以外は何のことも頭になかった。

 宮崎への車中、桜島山はずっと見えた。
 窓際に立って見えなくなるまで「凝視」していた。


 柿あかき 錦江の野を  走りゆけば

  桜島山  みえずなりゆく
              (急行「日南」で)


 深い印象を残した桜島を再訪したのはそれから40年後でした。ぼくが自分の人生の中で感動して歌を作ったのはこの時のほか、あと一度だけではないかと思います。

 紅葉の 彼方に聳ゆ 焼岳の

   岩肌さやに  雲かかりゆく

      (1967年10月 上高地 大島高校修学旅行で)