ぼろぼろになりそうなガリ版刷りの学級文集『黒潮』創刊号があります。1952年12月、津呂小学校(高知県安芸郡室戸岬町)5年東組発行となっていますが担任の増井忠義先生が編集発行したものです。
作文 詩 俳句 の3部に別れて作品が紹介されています。先生は巻頭でこう呼びかけています。
文章は心の鏡のようなものです。見たこと、聞いたこと、自分の心に強く感じたことを すなおに ありのままに 心の鏡に写し出すように心がけましょう。
詩と俳句が中心です。中野善久くんが「岩の上 みんな書いてる 俳句かな」と詠んでいます。浜にいってみんなで俳句に挑戦したのでしょうか。
どの部門にもぼくの作品が載っていますが我ながら気恥ずかしくなる駄作です。とくに作文と詩はひどく、先生の願いとはかけ離れています。それでもこれがぼく自身なのです。隠すわけにはいきません。
増井先生のおかげで残っているぼくの小学生時代の<作品>のうち、「詩」と「俳句」を級友たちの作品(一部)と共に紹介します。
<詩の部>から
あら波 山下礼儀(みちのり)
あらなみが モーターボートをけずる
よせてくる波のあとから
また波がおしよせてくる
ごうごうとしぶきをあげて よせてくる
立っているぼくまでも
つれていかれそうだ
海 中野善久
大波小波にのった船
かじ取り元気で いさましい
大波小波にのった船
それ 港に近づくぞ
それ 今のまに 早く入れよ
いそげよ いそげ
太平洋 鈴木啓介
広い広い太平洋に
船が 木の葉のように
うかんでる
どこまでも続く
この海は
だれにもまけない
強い心と大きい希望を
もっているらしい
僕らもこの海に負けない
強い心と大きい希望を
もちたいものだ
戦争はいやです 鈴木啓介
昭和16年にはじまった 世界大戦
思い出すとはらはらする
7年前に終戦になったとき
胸をなで下ろしたことを 思い出す
戦争のため 足をなくし
どことなく歩いていくひとの
あわれなすがた
たくさんの人々は
このあわれな人を
どうみまもって いるだろう
戦争のため
たくさんの損害を受け
多くの人の命をなくし
どこにも良いことはないのに
人々は どうして戦争するのだろう
ぼくは戦争をするのは
ぜったい反対です
世界中がゆたかな 平和な国に
早くなりたい
<俳句の部>から
ゆうぐれに 堤防の子供 とんぼとり 中野善久
松の上 からすとんでる 二羽三羽 山下礼儀
海は波 山はみどりに 囲まれて 釣井千恵子
夕暮れに 空いちめんに うろこぐも 中谷美与
子守して 畑に行った 母を待つ 中谷加代子
冬の朝 さむいさむいと ひばちふち 中野治雄
しずけさよ きらきら光る お星さま 堺 政子
うれしいな みんなたのしい お正月 田所知子
松の木に カラスとまりて さわがしや 門田兵敏
サイレンの 声聞かぬ前 火の始末 中川里子
秋風に すすきがゆれる さびしそう 松井美恵
庭の花 風に負けずと 立っている 寺尾美和
あめふりに ぬれてとんでる すずめの子
白雲が 山のかげから もくもくと 森 節子
冬空に 寒そうに見る 星の数
夕焼けの あとに残った からすかな 柳井美奈子
夕暮れに からすかあかあ 泣いている 沖 幸智
岩のかげ からすとびたつ 羽音かな 松本邦啓
猫の子が こたつまいくる 冬の雪 岸川文子
菊の花 ゆったり咲いて 咲き乱れ 松田充司
秋の花 色とりどりに 咲き乱れ 福留君子
うつくしき 星の火花が 夏空に 大黒安佐子
カチカチと ふくめんもいる 火の用心
流れ星 あっというまに 消え去った 山崎 淑
チンチロと 虫のさびしく 泣く夜かな
遠い海 お船は遠く かつおつり 吉岡範子
冬の山 枯れ木に小鳥 とまってる 鈴木啓介
冬の空 ピイヒョロとなく とんびかな
めじか船 帰る頃には 白(しら)がたつ
夕焼けに からすのむれは そまりそう
昨日(土)、大阪高槻の敬宰さんが様子を見に来てくれました。お連れ合いの優子さんとともに老人介護の仕事をしていますがそれが楽しく、やり甲斐がある様子です。高校生の時から、地域の子供会をやってきた人です。人間が本当に好きなのでしょう。青年の頃から、笑うとえくぼが出る表情は変わりません。
敬宰さんを見送った後、近くの山田というところに「かかし」の作品展(?)を見に行っている留守に、matumotoさんがヤマメを届けてくれました。今回もお母さんを奥多摩に案内した帰りだったに違いありません。感謝。
作文 詩 俳句 の3部に別れて作品が紹介されています。先生は巻頭でこう呼びかけています。
文章は心の鏡のようなものです。見たこと、聞いたこと、自分の心に強く感じたことを すなおに ありのままに 心の鏡に写し出すように心がけましょう。
詩と俳句が中心です。中野善久くんが「岩の上 みんな書いてる 俳句かな」と詠んでいます。浜にいってみんなで俳句に挑戦したのでしょうか。
どの部門にもぼくの作品が載っていますが我ながら気恥ずかしくなる駄作です。とくに作文と詩はひどく、先生の願いとはかけ離れています。それでもこれがぼく自身なのです。隠すわけにはいきません。
増井先生のおかげで残っているぼくの小学生時代の<作品>のうち、「詩」と「俳句」を級友たちの作品(一部)と共に紹介します。
<詩の部>から
あら波 山下礼儀(みちのり)
あらなみが モーターボートをけずる
よせてくる波のあとから
また波がおしよせてくる
ごうごうとしぶきをあげて よせてくる
立っているぼくまでも
つれていかれそうだ
海 中野善久
大波小波にのった船
かじ取り元気で いさましい
大波小波にのった船
それ 港に近づくぞ
それ 今のまに 早く入れよ
いそげよ いそげ
太平洋 鈴木啓介
広い広い太平洋に
船が 木の葉のように
うかんでる
どこまでも続く
この海は
だれにもまけない
強い心と大きい希望を
もっているらしい
僕らもこの海に負けない
強い心と大きい希望を
もちたいものだ
戦争はいやです 鈴木啓介
昭和16年にはじまった 世界大戦
思い出すとはらはらする
7年前に終戦になったとき
胸をなで下ろしたことを 思い出す
戦争のため 足をなくし
どことなく歩いていくひとの
あわれなすがた
たくさんの人々は
このあわれな人を
どうみまもって いるだろう
戦争のため
たくさんの損害を受け
多くの人の命をなくし
どこにも良いことはないのに
人々は どうして戦争するのだろう
ぼくは戦争をするのは
ぜったい反対です
世界中がゆたかな 平和な国に
早くなりたい
<俳句の部>から
ゆうぐれに 堤防の子供 とんぼとり 中野善久
松の上 からすとんでる 二羽三羽 山下礼儀
海は波 山はみどりに 囲まれて 釣井千恵子
夕暮れに 空いちめんに うろこぐも 中谷美与
子守して 畑に行った 母を待つ 中谷加代子
冬の朝 さむいさむいと ひばちふち 中野治雄
しずけさよ きらきら光る お星さま 堺 政子
うれしいな みんなたのしい お正月 田所知子
松の木に カラスとまりて さわがしや 門田兵敏
サイレンの 声聞かぬ前 火の始末 中川里子
秋風に すすきがゆれる さびしそう 松井美恵
庭の花 風に負けずと 立っている 寺尾美和
あめふりに ぬれてとんでる すずめの子
白雲が 山のかげから もくもくと 森 節子
冬空に 寒そうに見る 星の数
夕焼けの あとに残った からすかな 柳井美奈子
夕暮れに からすかあかあ 泣いている 沖 幸智
岩のかげ からすとびたつ 羽音かな 松本邦啓
猫の子が こたつまいくる 冬の雪 岸川文子
菊の花 ゆったり咲いて 咲き乱れ 松田充司
秋の花 色とりどりに 咲き乱れ 福留君子
うつくしき 星の火花が 夏空に 大黒安佐子
カチカチと ふくめんもいる 火の用心
流れ星 あっというまに 消え去った 山崎 淑
チンチロと 虫のさびしく 泣く夜かな
遠い海 お船は遠く かつおつり 吉岡範子
冬の山 枯れ木に小鳥 とまってる 鈴木啓介
冬の空 ピイヒョロとなく とんびかな
めじか船 帰る頃には 白(しら)がたつ
夕焼けに からすのむれは そまりそう
昨日(土)、大阪高槻の敬宰さんが様子を見に来てくれました。お連れ合いの優子さんとともに老人介護の仕事をしていますがそれが楽しく、やり甲斐がある様子です。高校生の時から、地域の子供会をやってきた人です。人間が本当に好きなのでしょう。青年の頃から、笑うとえくぼが出る表情は変わりません。
敬宰さんを見送った後、近くの山田というところに「かかし」の作品展(?)を見に行っている留守に、matumotoさんがヤマメを届けてくれました。今回もお母さんを奥多摩に案内した帰りだったに違いありません。感謝。