7月15日(金)晴れ
8時半のバスで弥陀ヶ原から室堂平へ。ここは標高2500mの別天地である。主峰・雄山(おやま3003m)を中心とする3000m級の山々がぐるっと連なっている。まるで雲上の神の遊び場だ。どの山も雪渓がまだら模様に走っている。
雲影をどこにも見ることができない絶好の登山日和で雄山に登る人々の姿が多いが、それは最初からあきらめて僕らはみくりが池の周囲を散歩する。弥陀ヶ原とは違って高山植物は少ないが景観の素晴らしさはたとえようがない。前日の歩行で疲れたのか、動きの鈍い僕はベンチを見つけては休んだ。そのたびごとに見える風景に感嘆する。
雪渓の雪が解けて小さな川になる営みをまじかに見た。雪の道を歩くことは敬遠して地獄谷の散策は放棄したので昼ごろには室堂のターミナルに到着した。体調を考えて今日の行動はここまでとし、バスで弥陀ヶ原の宿舎へ。ゆっくり休む。
食後は雲海の果てに沈む夕日を一時間近くも眺めた。雲海というものを初めて知ったような気がする。富山湾が1500m上昇したと思ってもらえばいいかな。
一面の波濤である。岸辺に打ち寄せる白波…。ホテルのすぐ下まで押し寄せている。昨日歩いた弥陀ヶ原はことごとく波の底になってしまった。海面が1500m上昇して日本列島はまさに沈没してしまったのである。そんな幻想の世界にしばし浸ったというわけだ。
日本人とイギリス人のカップルがそれぞれの親をこの立山に呼び寄せて交流している姿があった。日本人の娘さんは宮崎の出身で両親は宮崎から駆け付けたという。
今日は称名が滝に遊んだ後魚津に向かう予定だ。好天。(16日朝)