川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

室戸ジオパーク

2011-07-21 06:22:40 | ふるさと 土佐・室戸

 

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 (室戸岬・アコウ)

 昨日(7月20日)は妻の誕生日でした。先ごろの旅先の新潟県能生(のう・糸魚川市)から直送してもらったズワイガニを食べて祝いました。1945年(昭和20年)、敗戦直前に焼け野原になった東京の慶応病院で生まれたといいます。最悪の食糧事情のなかでよくも育ったものです。若いときは虚弱な一面がありましたが歳をとると共にハチキンおばさんになりました。僕のようなわがままと生きる中で丈夫になる以外に道はなかったのでしょう。66年の人生のうち43年は僕の面倒を見るために費やされたと言っても過言ではありません。ただただ感謝あるのみです。

 僕の故郷・室戸岬にもよく通って父母の面倒も見てくれました。今では僕よりは室戸や土佐のことを理解しています。その室戸では今「ジオパーク」を「世界ジオパーク」に認めてもらうための運動が進んでいるようです。ジオパークとは聞き慣れない言葉ですがこんな意味だといいます。

 「ジオ(地球)に親しみ、ジオを学ぶ旅、ジオツーリズムを楽しむ場所がジオパークです。山や川をよく見て、その成り立ち としくみに気付き、生態系や人間生活との関わりを考える場所です。足元の地面の下にある岩石から宇宙まで、数十億年の過去から未来まで、山と川と海と大気とそこに住む生物について考える、つまり地球を丸ごと考える場所、それがジオパークです」

   出典●日本ジオパークネットワークhttp://www.geopark.jp/about/

 1200年前讃岐の一青年が室戸岬の洞窟で修行中、明星が口に飛び込んできて悟りを開いたといいます。目の前に広がるのは空と海だけです。空海と名乗りました。のちの弘法大師です。

 室戸はこんな歴史のあるところですから自然と人間の関わりについて学び、体感するにはいいのかもしれません。空海とまではいかなくとも新たな哲学を打ち立てなければ私たちの未来は開けません。それは私たちのひとりひとりに問われていることです。

 世界ジオパークに認定されることがどういう画期的な意味があるのか僕には良くはわかりませんがそのような学びの場として室戸岬が知られるようになることは嬉しいことです。

 

室戸ジオパーク 「市民熱意に感激」

GGN審査員 地元取り組み評価

記者会見で室戸ジオパークの印象を語るマッキーバー教授(左)とヒル博士(室戸市役所で)

 世界ジオパーク(地質遺産公園)の認定に向け、室戸市で現地審査にあたった「世界ジオパークネットワーク」(GGN、事務局・パリ)の審査員2人が14日夜、室戸市役所で記者会見した。12日以降、海岸沿いの奇岩、海洋深層水の施設などをくまなく視察し、審査員は「市民の熱意の大きさに感激した」と、地元の盛り上がりを高く評価した。(田水綾)

 審査員2人と日本ジオパーク委員会の研究者らが出席。審査員で北アイルランド地質調査所のパトリック・マッキーバー教授(47)は、地元の小中学生が、海岸で地層や化石について学習している姿が印象に残ったと言う。「将来を担う子どもたちが楽しく学ぶことは、まさしくジオパークが目指すものだ」と強調した。

 米国地質学会のウェズリー・ヒル博士(42)は、ガイドを務められるよう地形や地質を徹底的に学んだ「ジオパークマスター」を育てる取り組みや、多彩なパンフレットを作成していることなどを挙げ、「難解な地質学を、住民自身が分かりやすく発信しようと努力している」と評価。地元住民の朗らかな人柄や、地場産品を使った料理を提供する店が多いことにも、好印象を受けたという。

 審査員2人はこれまで、新村(しむら)海岸(室戸市元甲)に整備された遊歩道を歩いて看板などを見て回り、認定するにふさわしいか確認。14日は、明治時代に製炭業などで栄え、伝統的な町並みが残る吉良川町や、南海地震で隆起する度に掘り下げてきた市内で最も古い津呂港などを見て回った。2日間で視察した観光地や研究施設などは18か所で、市民約40人が英語を交えて説明した。

 早ければ9月中旬にノルウェーで開かれるGGN関連組織の会議で、認定されるかどうかが決まる予定。室戸ジオパーク推進協議会会長で、視察に同行した小松幹侍市長は「様々な角度から室戸を体感してもらい、好印象を持ってもらえたと思う。住民の思いが伝わり、いい結果が出ることを願う」と期待した。

 審査員2人は15日、地質や微生物などを研究している、独立行政法人・海洋研究開発機構と高知大学が運営する「高知コアセンター」(南国市)を視察し、4日間の全日程を終える。

(2011年7月15日  読売新聞)