エクスペンダブルズ2(2012年)
うかつにも公開時に劇場に観に行って
しまった(笑)。
最初から最後まで終始荒唐無稽な
ドンパチ映画だ。
スタローンが主演の映画はすべてそう。
あんまし頭良くない。
このシーンは、作品の冒頭、ネパール
にスタローンの傭兵部隊が潜入し、
人質を救出するシーンだ。
人質救出後、ノペーッと建物屋上に
スタローンたちは姿を現す。
これ、現実ならば、全員即敵に射殺
されている。
しかし、スタローンたちは絶対に死な
ない。棒立ちのまま銃を撃ち、敵を
全滅させる(笑)。
スタローンの頭の中は俺ツェエエエエ
の中2だから絶対に死なない。
一番彼の出演作で良かったのは『暗殺者』
(1995)だった。
しかし、あの作品でもアントニオ・バン
デラスに演技食われまくりだったが。
あの映画はバンデラスの映画。
本「エクスペンダブルズ」シリーズは、
傭兵たちが全くどう逆立ちしても傭兵
ぽくないところがミソ。
やはり、スタローンがシーガルと並ぶ
ド大根だからか。
「ちょほいとまちなー」の日活映画と
いい勝負のシリーズだ。
傭兵部隊はネパール軍をけちらして
飛行艇で脱出する。
さっきまで地上戦闘していたスタローン
が突如として飛行艇に乗って部隊を
救出しに現れる。
飛行艇は大砲で桟橋もろとも敵大部隊
を全滅させて、ダムを超えて飛び立つ。
あれ?左のエンジンは?(笑)
てかエンジンが上と下逆になってるし。
なんでこんな手抜きCGなのか。
いやはや何ともオソマツ過ぎる。
全編こんなチープで出鱈目な作りの作。
幼稚だよね、スタローンの作品て。
伝説の漫画シーン「ちょろいもんだぜ」
がとても秀逸に思えてくる。
だが、漫画『ドーベルマン刑事』の
ルガー・ブラックホークのシリンダー
スイングアウトを超える作品は、たとえ
映画作品だろうと世界中ではまだ登場
していない。


とか思ってたら、のっけから、麻薬組織

シェー・ウィガムがマイケル・J・
フォックスにしか見えない(笑)。

まあ、オリバー・ストーン監督とジョン・
トラボルタの悪役ぶりに期待して最後
まで観ることにしよう。2012年作品。
オリバー・ストーン監督作品ならば、
『プラトーン』(1986年)は絶対に
見逃すなよ、映画ファン。
って、もう観てるだろうけど。
おいらも何度も観た。『ハスラー』程
ではないにせよ。
くっそリアルすぎるのがなんともアレ
だったが。
『プラトーン』で注目すべきは、デビュー
間もないジョニー・デップだ。
主役を食いまくりの天才的演技だった
ので、セリフシーンはすべて大幅に
カットされた。
このベトナム戦争映画は、アメリカでは
黒人が高校に行くのも珍しかった時代
を舞台としていた。
1964年、全米初の大学進学した黒人
女性は白人たちから「猿が人間社会に
来た?」と猟奇的に扱われていじめら
れて自殺した。黒人たちは高校にさえ
進学できないのがアメリカ社会だった。
大規模な公民権運動が起きたのはその
後だが、「公民権」である。黒人はまだ
奴隷の延長と米国白人は見ていたのが
私が子どもの時代のアメリカだ。アメリカ
インディアンなどは奴隷どころか虫以下
の扱いだったし、これは今でもそう
であるのが米国社会だ。黒人大統領は
出たが、アメリカインディアンで大統領
が登場した時、初めてアメリカ合衆国は
民衆の国家となったといえるだろう。
ベトナム戦争の時代。アメリカ合衆国
とは虚飾の「民主主義国家」だったので
ある。
それは今でも全く変わらない。
トランプ大統領を見てみるがいい。
この映画の題名「野蛮なやつら」とは
まさに、トランプのような種族の事だ。
栄誉あるアメリカ合衆国大統領にあり
ながら、暴力で民主主義体制を破壊する。
あれがアメリカ人のアメリカ人らしい
もっともアメリカンな姿なのだ。
彼こそがUSA。彼こそが大統領である。
あんたが大将よりも上だ。
あれを大統領にした米国人民たちは
大いに恥じるべきだろう。
そもそもアメリカ人は恥じることを知ら
なすぎる。
それは、暴力でしか国家を運営できない
未熟で野蛮で粗野で未開な国家作りを
北米人がやったからだ。
アメリカには夢がある。
すべての人種、国家を超えた人々を
受け入れて、そして互いに助け合って
築く国の姿をアメリカは素地として
持っている。
だが、それを壊して我が物顔で専横を
決め込もうとする人間たちが多すぎる。
それがアメリカ合衆国に巣くう「野蛮な
やつら」だ。
1986年、『プラトーン』でアメリカ合衆国
の真の姿を描き切ったオリバー・ストーン
監督は、骨のある映画監督だと思う。
『プラトーン』がなぜ歴史的な作品か。
それは、アメリカの「悪」と「罪」を
アメリカ人自身が描いた初めての戦争
映画だったからだ。
それまでのアメリカ産戦争映画は、
インディアンに襲われた市民の窮地に
騎兵隊がやって来てインディアンを皆
殺しにしてヒャッハ~!いいぞ~!
拍手喝采!の戦争映画ばかりだったから
だ。
すでに西部劇では、その見直しがされた
作品は少数ながら出てきていたが、
アメリカが行なった国家戦争は、アメ
リカによる戦争賛美の作品しか(「しか」
である)存在しなかったのだ。
それは、真実を描くと困る連中がいる
から。その連中が国家的軍需産業を
動かしているから。
アメリカという国は、構造的に10年おき
ごとくらいに国家的戦争をしないと
成立しないシステムになっている。
戦争を起こして参戦できないような
状況ならば自国民を大量に殺害して
でも戦争理由をこしらえる。
そういう国がアメリカ合衆国なのだ。
これは映画ではなく、現実世界の話だ。
そのアメリカに戦争で負けた日本国は
アメリカのポチとなった。
現政府与党、とりわけ自民党をはじめ
とする保守陣営層は、売国奴であり、
全員米国のポチなのだ。
民主主義者ではない。
そして、社共は、旧ソ連・中国の手先
だ。社共のうち「社」は風前の灯だった
が、過去日本では二度政権与党となって
いる。
戦後アメリカが作った疑似民主主義体制
の「予定調和」の体制の中で。
『ザ・テキサスレンジャーズ』(2019)
実話の映画化。
なぜこのような邦題になったのかは不明。
映画『テキサスレンジャーズ』と紛らわ
しい。
物語は、1930年代、西部開拓時代のように
悪事の限りを尽くしたボニーとクライド
のギャングを射殺した警察官の姿を描く。
同時代のアル・カポネを逮捕した財務省
特別捜査官エリオット・ネスを演じた
ケビン・コスナーの1987年からの老人ぶり
の演技に驚く。
『ワイアットアープ』でも青年期から
老境のワイアットまでケビンは見事に
演じたが、2019年での本作でも特殊メイク
を施しながら、老いた捜査官を渋く演じ
ている。
同じような立場の捜査官の役の比較と
して面白く思えた。
『アンタッチャブル』(1987年)
『ザ・テキサスレンジャーズ』(2019年)
こうやってキャプチャで取ると、しわなど
はメイクであることが分かってしまうが、
演技としては出来過ぎたじじいぶりを
発揮している。コスナーは声質が高く軽い
のだが、本作ではあえて低く渋めの発声で
聴かせる。
ケビン・コスナー演じる老境の捜査官で
あるフランク・ヘイマーが使用する愛銃
はコルト・シングル・アクション・アー
ミーだ。渋い。
多分だが、西部開拓時代が終焉した
19世紀末あたりから愛用していた静か
な設定のようにも思える。
保安官出身という劇中の設定だろうか。
いや、ピースメーカーこそがテキサス
レンジャーズの証だったのだろう。
コルトSAAセカンド・ジェネレーション、
ブラック・パウダー・モデル。渋い。
特別捜査官といえば、警視庁の「ポール・
マッカートニー特別捜査官」の菊池の
加齢による変わりようも、観ていて非常
に面白いのだが(笑)。
在りし日の成田三樹夫さんのような味
になってきている。
デンジャーゾーン(2021)
2036年、旧東欧で内紛が起きた。
ロシアが旧東欧ウクライナを武力
併合しようとして進軍したのだった。
国連平和維持軍として現地に駐屯して
いた主人公の中尉は、ドローンでの
空爆により友軍兵士2名を死なせてしま
った。
だが、それは部隊の他38名を守るため
の正しい行動だったと信じて疑わない
主人公は、命令違反として飛ばされる。
飛ばされた先で新たに上官となる大尉
は、なんと5年前に製造された精工な
最新アンドロイドだった。
主人公の中尉とアンドロイドの大尉は
ロシアの暴力を止めるために、東欧
レジスタンスと接触する極秘任務を
遂行しようとするが・・・。
最後の最後の展開までは、かなりの出来
の近未来SF軍事物として面白い。
しかし、最後の展開は、なんとも陳腐
であり、サスペンス調に仕立てていて
もどんどん筋書きが幼稚になって行く。
政治や軍事はそんな単純な稚拙な物
ではないのに。
そのことは、観ているうちに、そのアン
ドロイド大尉が、最初は大層な大物感
を醸し出していたのが、どんどんと
小者感全開になって行くしょぼいシナ
リオにも表れている。
原作者、実に惜しい。
役者が良い演技をしている映画だけに、
ラスト間際からの展開が残念すぎる。
今一歩ではなく今三歩以上足りない
本当に惜しい映画作品だ。
私が常用している一般売りで一番好み
の醤油。
日本酒と同じ日本全国どこでも文化
(清酒は鹿児島を除く)で、日々欠か
せない調味料に醤油がある。
日本の代表的な調味料だ。
大手メーカーの醤油は全国どこでも
購入できるが、日本全国を行くと、
各地での地醤油があり、それがまた
なんとも味わい深くて料理を楽しめる。
日本の食卓に醤油あり。
醤油、うまし!
飲んだら高血圧で死ぬけど(笑)。
私が今まで試した醤油で絶品別格は
魯山人倶楽部が作った限定醤油だった。
だが、限定品でありめちゃくちゃ
高い。
そういうのは、本当は魯山人の路線
ではないようにも思えるが、高くて
うまいものは、ごく当たり前なので
なんとも面白みには欠ける。
ただ、味はこの上ない物だった。
しかし、それは1本数百万円の超高級
ワインは美味しいですね、というよう
なものと同類なので、味の比較対象
にはならないだろう。
手ごろなごく普通の価格で日々の
食の友として欠かせないのが醤油で
あるべきではなかろうか。
そういう意味で、旅行先では私は
真っ先に地醤油を見る。そこに目が
行く。地酒よりも地醤油を見る。
広島県三原市には、おもしろ物で、
地ソースというものがある。広島
県内でもマイナーなのだが、これが
また格別に美味い。
地物は面白い物が日本全国沢山ある。
ただ、その地物は、自分のとこのみ
が唯一絶対と思い込むと視野狭窄に
なるので注意が必要。
美味い物は、全国区で美味い。
自分とこだけが一番だと思い込むのは
それは世界が狭すぎる。
うどん消費量日本一の埼玉県のうどんは
まじもんで美味しい。
うどんというと讃岐、と思い浮かべる人
は多いことだろう。
たしかに讃岐のうどんは美味しい。
他にも名古屋のきしめん、秋田の稲庭等
おいしいうどんは全国に散在している。
ところが、あっと驚く日本一のうどん
消費県は埼玉県だ。
そして、埼玉の地うどんは、めちゃく
ちゃうまい!
個人的には讃岐を全体的には抜いている
ように思える。
埼玉うどんの特徴は、平べったい刀の
下げ緒より少し幅の狭いうどんなのだが、
場所によってはその幅が変わったりも
する。
総じて腰が非常に強い。
東京で食べる讃岐うどんというのは
ニセモノでコシが強すぎるが、本場
讃岐の店で食べる讃岐うどんは存外
柔らかい。コシではなくもちもち感
があるのが、讃岐で食べることができ
る本物本場の讃岐うどんだ。
讃岐のあかちゃん言葉でおぴっぴ
という。讃岐うどんは柔らかいのだ。
知らない人は「このコシがさすが
讃岐うどん」とか関東で言ったりする
が、本場もんはコシではなくもち
もち感であり、柔らかい。
埼玉うどんは、コシだ。
これまた、柔らかいのにコシがある、
という不思議な食感だ。
そして、味が良い。
これは埼玉うどんのカツブシだし
のつゆが抜群に美味いというのと
絶妙にマッチしている。
カツブシは「勝つ武士」として、江戸を
中心にもてはやされた関東定番の出汁
の素である。
関東のカツブシだしの汁と埼玉の
うどん、東京の江戸そばは抜群に
相性が良い。
関西の昆布出汁のうどんもうまいが、
関東のつゆものの出汁はなかなかだ。
うどんは埼玉。
特に大宮以北から熊谷以南の中北部で
埼玉はうどん文化が盛んだ。
大宮や浦和や蕨や川口などではうどん
文化は希薄だ。
大宮以北で忍藩のあった行田あたりまで
が武州埼玉のうどん文化圏となる。
うまい。日本一うまい。これまじで。
ぜひ、機会があったらご賞味あれ。


目の前の山が呼んでいる。




