ごく一般的な灯油ストーブだ。
しかし、燃焼部の背面にはリフレクター
が設置されている。
しかも、その反射板はただの板ではなく
凹レンズのような断面の物をいくつも並べ
るような構造になっている。
熱反射の効率性について実に研究されて
いる。
焚火を嗜む焚火派の方たちは知悉してい
るだろうから今更なのだが、このリフレ
クターの効果と良し悪しは、燃焼におけ
る炉内温度の上昇と「炉内雰囲気」を
管理する上にあってとても重要な要素と
なる。
薪ストーブやロケットストーブの場合に
は、さらに二次燃焼と対流効果について
の実績の知見が一基ごとの設計に導入さ
れている。
薪ストーブもロケットストーブもただの
鉄の箱ではない。内部構造はカラクリ箱
のような多様な工夫が施されているのだ。
燃焼についての知見が動員されていない
鉄ストーブは存在しない。
沸かし専用の日本刀の鍛冶炉(康宏炉)。
私が作る野外カマド。
ストーンサークルのような丸型オープン
にはしない。
この鍛冶炉型にするのはいろいろ理由が
この鍛冶炉型にするのはいろいろ理由が
あるが、私が長年焚火をやって来た経験
に基づいている。
炎の管理もしやすく、炉内熱効率も良く、
炎の管理もしやすく、炉内熱効率も良く、
極めて火を調節含めて効率的に運用できる。
市販グリル。リフレクター効果を得ている
設計の物。薪を使っても調理がしやすい。
いわゆるカマド系原理の形状。
別場所での私の野外カマド。
別場所での私の野外カマド。
さらに緻密に設えれば、松炭を使っての
刃物鍛造も可能だ。
炎の熱が逃げ、効率の悪いタイプの市販
炎の熱が逃げ、効率の悪いタイプの市販
焚火台。
このタイプでの調理は、結構難しい。
リフレクター効果をも考えている形状の
このタイプでの調理は、結構難しい。
リフレクター効果をも考えている形状の
市販焚火台。スピットを上に置けば調理
もやりやすい。
現在、直火が禁止されているキャンプ場が
増えているので、石を組んでカマドを作る
シーンは減って来ている。
1960年代、70年代は全て石組みカマドを
作っていた。焚火台そのものが世の中には
存在しなかった。
石組みをやらなくなってから、キャンプを
する人たちにも、反射効果についてあまり
考察しない人たちが増えたように思える。
ただのストーンサークル的な円形焚火場と
炉型石組みカマドは目的が異なるのだ。
今は数えきれない程の各種の焚火台が販売
されているが、購入者も、あまり、反射効
果についてはアンテナを張らない傾向が
見られる。
一方、古くからブッシュクラフトなどで
焚火をやっている人たちのカマドを見る
と、しっかりと丸木や石でリフレクター
を設置している。
市販の焚火台でも、設置の時にひと工夫
すれば、かなり良い焚火環境を作れる。
マニュアル通りの事をやるのではなく、
いろいろやって体験が経験として血肉化
されて行くのがアウトドア活動の醍醐味
だ。
野外活動は、人間力を向上させる。
知恵を絞らないと前に進まないからだ。
大自然は人を育てる。