カワサキの独擅場(どくせんじょう)
状態をホンダが黙って見ている訳が
ない。
ヤマハに続いてホンダの逆襲が始ま
りそうだ。
人類史上エンジン搭載車の最終段階
に入り、いよいよ面白くなって来た。
ホンダは製造終了となっていた名機
CB400SFの後継機種をどうやら開発
中で、近々に市場にぶち込むようだ。
当初の専門誌等の予想図はこれだった。
まるっきりヨンフォア。
このスタイルならば、カワサキ
ヤマハ好きの私さえも欲しいと
思ってしまう。
ヨンフォアに大昔ティーンの頃
に乗っていたし。
エンジンがSF譲りならば言う事
ない。
(ただ、2019年にCB400SFを
峠で走らせてみたら、やはり
前輪の操安性について、カワ
サキ、ヤマハに比べて劣って
いる事が細かい部分で感知で
きた)
しかし、このヨンフォア風味の
スタイルは予想誌の外れ予想だ
ったようだ。
ホンダは別方向のテイストで
新型400を開発しているらしい。
無難な線でスポーツタイプを
狙うのか。
あるいは、ヨンフォアスタイル
だとGB350と部分的に被るから
避けたのか。
だが、ヨンフォアスタイルか
CBXスタイルにしたならば、そ
れはカワサキがZ900RSでZ1
イメージを出しつつ最新機能
搭載で高次に融合させたマシン
コンセプトと同軸となり、カワ
サキ同様、爆発ヒットの可能性
もあるだろう。
だが、最近のホンダは大外しの
線が新型開発には多い。
予想外の瓢箪から駒ヒットは
レブル250か。
ホンダはエンジンが最高だ。
エンジン屋のヤマハも悪くは
ないが、ホンダはとにかくエン
ジン。
カワサキの良さは圧倒的な操安
性。ヤマハがその代名詞になっ
てしまったが、これはレース
でのヤマハ優位の世界情勢が
ヤマハをしてそこまで評判を
押し上げせしめた。
だが、カワサキの車のハンド
リングは非常に良質な事は事実
だ。
今、カワサキが世界のホンダを
抜いてダントツ独走状態である
のには原因がある。
それは、「漢カワサキ」などと
いうイメージを今の人たちは
求めていない、という点をカワ
サキはきちんと理解して戦略的
攻勢をビシッと決めて来たから
だ。
「まず製品ありき」をカワサキ
は実行したのだ。
ビタリッと寸分たがわず人々の
求める物にきっちりはまる車を
作って世に投じた。少しだけ
カワサキ特有の反骨のテイスト
を乗せながら。
それがZ900RSであり、2018年の
発売以来とんでもない数が売れて
いる。
さらに、オールドスタイルだけ
でなく、中型ミドルクラスで矢継
ぎ早に攻勢をかけ、とどめはビッ
グマシンで世界最速モデルを出し
た。
追撃はそこからも続き、本年、
400ccクラスで市販車ながら80PS
という化け物モデルを市場に投入
した。
カワサキには社内に飛び抜けて
秀でた軍師がいるに違いない。
二輪界の最後の断末魔、いや、
歴史上のラストラップでの国産
各社の度肝を抜く新型車製造発表
による業界の活性化に期待したい。