ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




「つなぎ」のお話です。うなぎは食べたいですけど(笑)。

アーティスト本人が例えば着替え等の為に、ステージを空けている間、何かすることですね。「場つなぎ」というと判り易いんですが、そう言っちゃうとなんとな~く安っぽくなるので、あえて「場」は省きますね(笑)。

イベントを除きますと、昨年の春、夏、そして今回と3回続けて「ステージ上一人ぼっち。」のコーナーを担当させていただいております。(無論、そんないい加減な名前は付いておりませんが(笑))。

毎回、リハーの途中で舞台監督さんから、「今回もここで2分半位の間が必要なんだよね」という話が出るので、その前後の曲の雰囲気や、キーを考えて、「さて、どうする?」となるわけです。バンドでつなぐこともあるんですが、最近は、主にステージ中盤に歌われるバラードの後のことが多いので、なんとなく僕が一人で担当することが多くなっています。

歌いきったへきるちゃんが、おごそかにお辞儀をしてステージを去っていきます。ステージ上も客席も、シーンとしております。ですから、いくらなんでも「いやー、皆さん元気ですかー?」と突然喋りだすわけにもいかず、いきおい、ピアノを弾くことでつなぐことになるわけです。

こういう場合、時にはオルガンやシンセでつなぐ事もあります。そのほうが、楽というか、シンセなら決まった鍵盤を押せば大体決まった音が出ますし、オルガンなら迫力でどうにかなったりもするんですが、最近はやっぱり、一番難易度の高いピアノだからこそ、チャレンジするのが面白いと(かなり自虐的ですが(笑))思っています

前にも書きましたが、昨年の柑橘系さんのツアーでもやはりバラードの後に70秒のものを作り、弾きましたが、今回を含め、へきるちゃんのステージではなんと「2分半」という倍以上長い時間です。それだけの間をシーンとした中で、たった一人でピアノだけで持たせるとなると・・・結構これが毎回、ドキドキでして(笑)。

毎回、あまり前もって準備する時間がありませんから、リハーの後家に帰って、ピアノの前に座って前後の曲を聴きながらじっと考えて、見えてきたら音にしてみて、忘れないようにメモ程度に音符を書いたりして残しておきます。そして、翌日のリハーで「こんなん作ってきたんですけど」と一度聴いてもらうんです。これまでのところ、幸い内容的にNGを貰ったことはないのですが、最初弾くときなんて、まだ半分以上考えながら弾いてるし、自分ではもう思っていたようには弾けなくて、あららーなんですよ

へきるちゃんに会いに、そしてへきるちゃんの歌を聴きにチケットを買って集まっているお客さんに対して、僕がステージで短い曲なら約一曲分の時間を、一人きりで演奏してつなぐ。これは大変なこと。もう本番まで、あと数えるほどしか人前(メンバーやスタッフさん)で演奏できません。

ピアノとかやった経験のある方はわかっていただけるかも知れませんが(色んな芸事も一緒でしょうけれど)、部屋で一人で練習してる時と、人前で本番の時って全然違うじゃないですか。もうまるっきり、別物というか(笑)。一人なら100回弾いても間違わないところで、ステージでいきなり頭が真っ白になったり、ね(笑)。

これはねー、何年やってても、やっぱり・・・オットロシーことです(笑)。ま、だからこそ上手くいったら嬉しいし、気持ちいいし、面白いんですけどね。そして、思いのほか、本番が一番気持ちよく弾けちゃったよ、なぁんてこともありますしね。昨日なんて、パートによりますけど、かなりそんな感じでした。あれが毎回で、全体だと、いいんですけどねー(望)。ハイ、・・・精進します

今日、昨年のMDも引っ張り出して、過去3曲作ったピアノソロを纏めて(手に汗かきつつ)聴き返してみたんですけど、これが結構面白かったんです。だんだんメロディーラインがシンプルになってるのが、自分としては一番興味深かったですねー。その分、コードに対する乗せ方は11thあたりのテンションとやっぱり昔から大好きな♭9thが・・・あー、こういう面倒な話は置いときましょう。長くなるし(笑)。

でもね、去年のも、結局どれも予定よりちょっと長めの約3分、弾いてました。この長かった30秒は、「いやー、気持ちよくてつい、の30秒」ということで、ご勘弁願えれば、と思いますです(笑)。

あー、でもね。またいつかチャンスを頂いたときには、「もっと良いもの」が弾けるようになっていたいですよ、ホント。こういうことにチャレンジ出来るチャンスをくれているへきちゃんには、ほんと感謝です。勿論、じっと聴いてくれて、終わりでは拍手をしてくれたお客さんにも・・・ね。

ではー。



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