「ゴボウ抜き」なんて言葉、よく駅伝やマラソンなんかで耳にしますよね。
でもゴボウってね、アレ実は抜くのがとっても大変で、どちらかと言いますと「掘る」もんなんですよ。ススーッとなんて絶対に抜けなくて、牛蒡の収穫はめちゃめちゃ手間のかかる作業なんですね。腰に気をつけてやって下さいね。
はい、みなさんおはようございます。今日も皆さん元気で、早朝から畑に出ていらっしゃることと思います。はい、川村ケンの農業ブログです。・・・もー夜だっつの。
とゆーわけで、ゴボウ抜きというのは、実は「楽に何人もスイスイ~っと抜いちゃう」感じではなくて、「大変な手間と労力をかけてどうにかこうにか成し遂げる」といったニュアンスなんですよ。
冬はゴボウが一際美味しい季節ですね。僕、こういう山菜や根菜、大好きなんです。年がら年中、脂っこいラーメンばっかり食べてるわけじゃないんですよ(笑)。
ゴボウを食べるのは基本、日本人だけです。外国では食べ物とすら思ってもらえないのです(一部の日本食大好き外国人は除きますが)。
戦時中、新潟のアメリカ人捕虜収容所でのお話ですが、手に入ったゴボウを料理して、外国人捕虜達に出したんだそうです。貧困下のお台所事情の折ですから、それが何日か続いたんですね。
ゴボウは元々漢方としても重用されるという、身体にもめちゃめちゃいいお野菜です。きっとその外国人捕虜達も、豊富な食物繊維で胃腸スッキリ、便秘知らずの健康体になったのでは、と思われますが、・・・現実は残酷でした。
戦後、戦犯裁判が行われた際に、なんとこの収容所の関係者は「捕虜を虐待した。彼らに残虐な行為をした」という罪で、何人もが死刑になったり終身刑になったりしました。その理由は、
「我々の大切な兵士に木の根っこなんか食べさせたから。」
だったそうです。
看守達は「おお、美味しいゴボウだ。これはあの捕虜達にも是非食わせてやろうではないか。」なんて、まったくよかれ、と思って出したのかもしれませんよね。知らなかったとは言え、食文化の違いで死刑になった彼らは、ちょっと可愛そうでもあります。まぁ国によっては、カタツムリや昆虫とかがご馳走になったりしてるわけですから、難しいところではありますね。
あーそうそう、「きんぴらゴボウ」の「きんぴら」ってね、これ「坂田金平(さかたのきんぴら)」っていう人の名前からきてまして、この人あの「マサカリかついだキンタロー」で有名な金太郎(坂田金時)の息子なんです。この息子が、またもの凄く強くて勇ましい人だったそうで、江戸時代に演劇(人形浄瑠璃)のネタにもなって広く有名になったんだうです。
で、ゴボウの歯ごたえとか、食べると精がつくところとか、調味料の唐辛子の辛さとかがね、「金平の強さ」と似てるね、ってことであのゴボウ料理を「金平ゴボウ」っていうようになったんです。ポリフェノールもたっぷり、胃腸も健康になれて、ガンや動脈硬化の予防にもなって、そんでもってお味もとっても美味しい、という、もう最高の一品なんですよ。
・・・あくまでも、僕らにとっては、ね(笑)。
えー、カメラ、修理に出しました。まだ一眼の誘惑の波は弱っておりませんが、彼にも回復してもらわねばー。直るかなー。微妙だって言われたんですよねー。ひやー。ほんと、おっちょこ・・・だー。
ではー。