少し前に、身近にあるものが、実は戦争があったから出来たり、発展したんですよ、なんて話を書きました。電子レンジやカーナビなんかを例に出しましたが、なんとなーく覚えていらっしゃいますでしょうか(笑)。
日本では女子中学生や、女子高生が着てるセーラー服が、元々は海軍(水兵)の軍服・制服だというのはご存知の方も多いと思います。背中に大きく垂れた布は、耳の後ろに立てて音を集める為のもの、だなんてことも。また、男子学生の制服であります詰襟も、軍服そのままのデザインだということも、おそらくご存知でしょう。
僕も中学生の時は詰襟を着ていましたし、女子はセーラー服でした。(高校は自由だったので、僕は私服で行ってましたが)。
ちょっと皮肉っぽくなりますが、つまりよく考えたら、日本という国では学生は軍服を着て学校へ行き、「世界に平和を。戦争の無い世の中を。」と教わる国なんですね。これは、他の国、例えばほとんど制服が無いアメリカなんかから見たら、もしかしたら「・・・日本ってのも、なかなか変わってるねぇ」なんて見えるかもしれませんね。僕達には、まったく自然なことなんですけどね。いつか、ずっと未来に「大昔の日本は、学生がほぼ全員、軍服を着て学校へ通っていたのです」、なーんてテレビ番組なんかで紹介されてたりね。で、見てる子供達が「エー!信じられなーい!」なんて(笑)。
さて、学生服だけではないのもご存知でしょうか?以前「トレンチコート」は第一次世界大戦の時にイギリス軍が開発した、戦地での塹壕(ざんごう=トレンチ)の中で着るためのコートです、って話を書きましたが、他にも「ダッフルコート」も、やはりイギリス国軍が第二次世界大戦でのノルマンディー上陸作戦の時に採用した軍服なんです。
もっと身近なところで、多くの企業で採用されてるよくOLさんが着ているジャケットにタイトスカートの制服も、軍服です。あれがカーキ色で、あとは軍帽を被れば・・・ほらね。
そして、「背広」。これも軍服なんです。シングルは陸軍。ダブルは海軍の制服です。ダブルの背広は右前、左前と選べますが、実は男は、とか女は、なんて関係なくて、これは元々軍艦などの甲板仕官が作業する時に、風向きによって掛け替えられる様に、ああなっているんです。
また、背広についてる襟の穴。あれは、、元々は社員章や議員バッヂを付けるための穴ではなかったんですね。先ほども言いましたが、男の制服は「詰襟」が元になっていまして、あの詰襟が大きくなって、やがて「立ち襟」そして、「折り襟」と呼ばれるようになったんですね。この折れている状態のものがジャケットなんです。実際に昔の日本ではあのジャケットのことを「折り襟」と呼んでいたそうです。なので、あの大きな襟は「詰襟の大きくなったもの」だったんですね。そしてその元となっている詰襟の襟元には、軍での階級を示すためのバッヂが付けられていたわけです(学生は学年とかクラスとか、あと委員バッヂなんかを付けてましたよね)。そういったデザインの変遷があっての、名残なんだそうです。
また、昨日の似顔絵を描いてもらってる方の写真でも分かりますが、背広(ジャケット)の脇の部分って割れてますよね。あれは、将校が馬に乗るときの為に、割れているんだそうです。
また、二つボタンや三つボタンといったボタンの数も、階級や社会的地位を表していたんですね。確かに、映画で見ましたが、例えば天皇陛下のジャケットのボタンは物凄い数でした。
ネクタイも軍服。よくある縞模様のレジメンタル・ネクタイは陸軍、水玉模様は海軍を表していました。(ネクタイは、元々食事の時のナプキンの代わり、という説も聞きましたが(笑))。
まぁ、軍服というのは、実に機能的に出来ていましたし、そうでなきゃ困るものだったのは当然ですから、こうしてずっと重宝されているのはもっともな話ではありますが。若い頃の学生服から、大人になっても僕達がずっと着て過ごしている背広(←僕は普段は着る機会がありませんが(笑))やジャケット(←これはしょっちゅう着てますねぇ)までもが、軍服のデザインだったとは・・・。知っていそうで、知らない事だったりしませんか?いわば僕達はいまだ、毎日、軍服を着て、軍服に囲まれて生活しているといも言えるわけですよ。考えてみたら、これまたシュールというか、スゴくないですか。
また他にも、カーディガンも1800年代半ばの戦時下に、怪我をした兵士の身体を暖めるため、しかも間単に羽織れるように、と開発されたもの(またもやイギリス軍発祥)ですし、チノパンは第一次世界大戦時に採用されたアメリカ軍の制服でした。ちなみに、チノはCHINA(中国)が語源だそうです。製造元が中国だったからだとか。やっぱり、・・・安く作れたから、なのでしょうか。
そうそう、で、中国と言えば・・・例のギョーザ問題から食料輸入問題へと広がってますね。・・・僕も思うところは沢山あるのですが、って、この話すると長くなるので、またー。
さて、まだちょっと仕事が。さくさくやらねばー。
ではー。