ふむふむ。
ローズ(エレピ)、ハモンド・オルガンとご紹介させてもらいましたので、ついでに、ちょっと一般的にライブなどで使われる鍵盤廻り(キーボード関係)について皆さんに詳しくなってもらっちゃいましょう(笑)。
大まかには、「ピアノ」、「オルガン」、そして「シンセサイザー」と分けて覚えてもらえれば十分なんですが、ちょっと説明してみましょう。
梅の花でも見ながら、ごゆるりとどうぞ(笑)。
まず、「ピアノ」。ロック系のライブステージ、特にツアーでは、なかなか生のピアノは運搬や調律の問題が大変なので、デジタル・ピアノで代用します。よくこのブログでも名前が出る僕のMP9000とか、MP9500なんかは、デジタルピアノです。略してデジピ、などと言いますが、ほとんど生ピアノの代用として使っていますので、ピアノと言ってしまって大丈夫です。
ピアノ(Piano)って一般的な言葉ですが、正式には「ピアノフォルテ(PianoForte)」と言います。ピアノ=弱音から、フォルテ=強音まで幅広く出せる楽器なので、そういう名前が付いたんですが、大抵は略してピアノ、と言ってしまっています。でも、よくCDやコンサートなんかのメンバー・クレジットなんかで「○山○男(PF)」なんて書いてありますよね。この「PF」は「ピアノフォルテ」の略ということなんです。
そして、一昨日ご紹介したローズはエレクトリック・ピアノ(電気ピアノ)といいます。電気の力で音を増幅(大きくして)スピーカーから出すからですね。生ピアノとは違って、電源を入れないと演奏できませんし、なので、停電したら音が出ないのですよ。でも、電気の力を借りることで、ゆらゆらとする「トレモロ効果」のような電気的なエフェクトを付けることが可能になってるんですね。生ピアノにトレモロはついて無いですし、付けられないですからね。
えー、ここで一つエレピについて、マニアックな・・・でも、大事なお話を。・・・でも、知ってても知らなくてもこれからの一生、まず困ることはなというお話ですので、読み飛ばしていただいても全然大丈夫です。簡単に書いても、まったくの鍵盤楽器の素人さんには難しいでしょうしー。(←たとえミュージシャンに話しても、キーボードにあまり興味の無い人には聞いてすらもらえないような話ですから(笑))。
「エレクトリック・ピアノ(電気ピアノ)」と「エレクトロニック・ピアノ(電子ピアノ)」はどっちもエレピといいますが、実は全然違うんですよ、とういうお話です。
例えばローズはエレクトリック・ピアノの代表ですし、他にもローズよりちょっと古い「ウーリッツァー」というのもポピュラーです。ローズよりもちょっと素朴で軽い(ライトな)音がします。有名なところでは、カーペンターズ(お兄さんはレコードでもライブでもウーリッツァーを沢山弾いています。このビデオでは50秒過ぎで手元も映ります。あるいはこちらでは、いきなり映ってますねー。←マニアック(笑))の音楽に沢山使われていますし、僕も結構よく使っています(本物は持ってはいないので、シンセで出してますが)。あとファンキーな曲で使われる「クラビネット」なんかも以下に書く理由でエレクトリック・ピアノの一種です(クラビネットは主に「クラビ」と略されまして、実は、もはやエレピとは分けて独立して扱われる程ポピュラーな楽器になっています。ギターみないな音でもあります。スティービー・ワンダーのこの曲などで有名です)。
えっーと、そしてMP9000などはエレクトロニック・ピアノです。電気屋さんで売っている、普通のお家で子供の練習用に買われるピアノなんかも、これです。これは発音機構の違いなんです。「エレクトリック~」では、音自体は物理的な構造で作られています(鍵盤を弾くと対応したハンマーが弦を打って音を出している、金属棒を叩いている場合なんかもあります)。でも、スピーカーからの発音には電気の力を使う必要があるので、エレクトリック(電気)を使うピアノ、と言う意味でエレクトリック・ピアノと言います。対して、そもそも音自体を電子回路で作ったり、サンプリングという技術で「デジタル録音」したものを再生している(なので、弦などが張っていない)のがエレクロトニック、の方です。
エレクトロニックの方は、デジタル技術を使っていると言えるので、先ほども言いましたがデジピ、とも言えます。デジピはエレピに含まれる、ということです。でもエレピはデジピには含まれません・・・。いやいや、こんなこと知らなくても本当に大丈夫です(笑)。ただ知っていると、僕みたいな鍵盤弾きと話す時に、「あ、すごいねー、よく知ってるねー・・・ってか、あなた、マニア?」と喜ばれます(笑)。
なので、一般に「エレピ」、というと、どちらも指すことになります。ややこしいでしょ(笑)。例えばリハーサルやレコーディングなどで、「ねぇ、そこのフレーズ、エレピでいかない?」なんていわれた場合、大抵は話の文脈で判断できるわけですが、時には「それってローズのこと?それとも、デジピのこと?」と聞き返して確認したりもできる、というわけです。あんましないけど・・・なんやねん(笑)。
はい、多分もう「頭がごちゃごちゃになった・・・」という方が多数だと思いますので、やめましょう(笑)。ピアノがピアノフォルテの略だ、ということだけ覚えて帰っていただければ、十分OKです。いや、それすらも、生きていく上ではまず必要ないので大丈夫です、えぇ、大丈夫ですよ(笑)。
あーあとなー、コレだけ書いておこうかなー。・・・題して「ピアノとオルガンの代表的な違いの一つ」。オルガンを「それはピアノじゃないの?」と言ってしまわない為にね(笑)。
楽器に馴染みの無い方は、たぶんこんな考え方したこと無いかもしれませんが、ピアノの音の大きな特徴って、ポーンと弾くと、鍵盤から指を離さなくても、音がだんだん小さくなって、やがて消えてしまうことなんです。これを「音が減衰する」ので、「減衰系の音」と言います。エレピも減衰します。ローズもウーリツァーもクラビネットも、どれも「音が減衰するからピアノの仲間である」、ということになるんです。つまり、減衰する音が、ピアノの音の特徴なのです。
対して、オルガンの音の特徴というのは「持続音」であること、なんです。というのは、鍵盤を押している限り、ずーっと音が持続して鳴っているからです。何分でも、何時間でも、・・・セロテープで止めてしまえば、何年でもずーっと(笑)。勝手には消えません。ですので、これを「持続系の音」と言います。ボリュ-ムペダルなどで、大きくしたり小さくしたりと表現はつけられますが、とにかく、ずっと音が持続し続けるのがオルガンの特徴です。
なので、今度キーボードを見たら、じっと鍵盤を押してみて、音が消えていったらピアノ系、音がずっと伸びていたらオルガン系、ということが分かりますね。
そして言ってみてください「オーイエー!この○○○(ピアノ又はオルガン)、結構いい感じじゃん!」って。はい、これで気分はキーボーディスト(笑)。
さて、でもあとシンセを説明しないとなーなんですよね。「え?それ、シンセですよ」って言われちゃったらアレですし(笑)。でももう十分長くなったので、これは明日・・・か明後日か、その次かにでも(笑)、また。
お勉強、お疲れさまでしたー。暖かくしてお休みくださいませー。僕もそうしますー。
ではー。