
そう、キーボードは重たいのです。
って、まだその話かい。
・・・まあまあ
(笑)。
でもね、本当に重たいのですよ。本体だけで10~13kg位が最近の平均的なものでしょうけれども、さらにケースに入れれば、プラス2kg。ケースに付いている”取って”は一つですから、当然、片手で、よいしょっと持つわけですね。で、そのままクルマに積んだり、下ろしたり、スタジオやライブハウスなんかが地下にあったりすると、エレベーターが無いとかなんてこともあるのです
。
もう、階段で鍵盤の上げ下ろしは、一種のスポーツですよ。夏なんかは、大汗です。
勿論ね、大きなツアーなどではローディさんという、楽器を取り扱うプロであるテクニシャンさんたちが運んでくれて、セッティングなどもしてくれるので、これは大変助かります
。
あ、これは裏話になりますが、キーボード周りを完璧にこなせる人はなかなかいませんのですよ。主に、ギターやベース、ドラムスなどの経験者が多い成果、そちらが専門の方が多いです。勿論、キーボードだけやらないわけはないので(笑)、みなさん、ちゃんとやってくれますけれど、「専門は何なの?」って訊いて「キーボードです」と答えたローディさんは、今まで一人もお会いしたことがありません(笑)。大抵「ギターがメインです」とか「ドラムです」などと答えられるのです(笑)。
勿論ね、中には専門ではないけれど「趣味で家で打ち込みとかやってるんで」なんてローディさんもいたりして、本当に結構詳しかったりすると、話に花が咲いたりしてね。楽しいものです。勿論、そういう人だと、音作りとかの相談も出来ますしね、とっても助かるんですが、なかなか
(笑)。
で、小さい現場だと、ローディさんが付かないこともあるわけです。
ローディさんたちは会社員だったりフリーだったりするわけですが、当然プロにものを頼むわけですから、人件費が発生するわけで、現場によっては「今回はローディさん居ないので」とか仰せがあるケースあります。「本番は誰かいますけど、リハはいませんのでー」とかも多いですね
(笑)。
まあ、とにかく、「うおー、全部自分でだー」となるのです。勿論、事務所の方などが「手伝いますからね」などと仰ってくれるのですが、いかんせん、完全な素人さんだとケーブル一本巻いてもらうことも出来ず、あちらにしても、「とは言え、こんなのドコ触っていいのか分らないよなぁ」というところでしょう
(笑)。僕だって、突然ギタリストのシステムとか「適当でいいから、バラしてね」って言われたら、まあ、無理ですから(笑)。やっぱり、それなりに知識なり経験がないと、難しいわけですよね
。
あと、「せめて何か運びます」と仰られることもありますが、これが女性だったりする場合(←結構に多い)、やっぱりキーボードは頼みづらいのですよね(笑)。十数キロのものを、しかも階段上げとかって、男の人でもまあ辛い(笑)。ほんと、慣れてないと、腰とか腕、手首なんかを痛めたりしますしね。荷物って、形によって、重さの伝わり方がちがいますからね
。慣れてても、炒めることはあるので注意が必要です。炒め、はしませんけど(笑)。
そんなこんなで、自分で運んで、自分で組み立てる。
大変でも、とにかく自分でやらなきゃになる事は、正直多いのです(もっとも、たまにとはいえ、ローディさんに付いてもらうなんてこと自体、アマチュア時代には考えもしなかったことですけれどね(笑))。
でもね、これ、自分で出来ておかないとまずいんですよ。まあ、どんなプロの方でも、まず殆どの方が自分でやれるとは思いますが・・・、自分システムがどうなって、どことどこが繋がってる、とか、ちゃんと把握してないと、咄嗟の時に対処できないからなんですよね。応用も利かなくなってしまいますから、ふと思いついたアイデアを実現させるという意味でも、「どこがどうなってホニャラララ」は一応、自分で全部わかっていないと、そういう場合でも身体が動かないものなのです。
・・・少なくとも、僕はそうですかなー
。
勿論ね、例えば厚見さんも、ちゃんとご自分のシステムは完全に把握されてますよ。あのアックスの時のような巨大なシステムでも、ほんの数台の時でも、同様に。
で、何かトラブルがあったら、絶対に「どうしてそうなった」かを確認されてますね。
むかーし昔、僕が厚見さんの私設ローディ(要するに、ボーヤ、です。ってか、まあ、ただの荷物運びくらいしかできませんでしたが)だった頃、リハーサルで、音が片方出ていないキーボードがあって、
すわ、故障か!?
と思ったことがあったんですね。厚見さんもすぐに気づかれて「川村君、○○のLチャンが出てないんだ」と。僕もシステムの裏に回って、ケーブルを手繰ったりしながら、確認。
故障だったりすると、本番までの日数で修理は可能か、今から代替機は用意できるか、など頭の中を色々な対処方法が駆け巡ります。間に合わなかったら・・・と思うだけで、調べる間にも、どんどん冷や汗が出てきます。
で、結局、僕がケーブルを半差し(ちゃんと根元まで差さって居なかった)にしちゃってたのが原因だったんです。なので、それを差しなおすことで、事なきを得たのですが、すぐさま厚見さんが
「あ、出た!サンキュー」と演奏にまた集中されてね。
僕も、ああ、良かった良かった、とホっと胸を撫で下ろしたわけですが、
その曲が終わるや否や「ねえ、何が原因だったの?」と僕に訊く訳です。当時ね、僕ももう、まったく子どもというか、自分のせいだって事を言うのが恥ずかしくて、「いや、あのう」と一瞬口を濁したんですが「あのね、ちゃんと教えて。どうして片方出なかったの?」と、少し厳しい調子で言われたんですよね。
で、「・・・あ、僕が、半差ししてました。スミマセン。」と謝ると、
「あ、半差しか。じゃ機械は大丈夫なんだね。わかったわかったー」と、笑顔でまた演奏に戻られたんですよ。「半差しはよくあるから。僕もやるしね(笑)。まあ気をつけてね」と。
この時ね、プロだからと言って、ただ音が出ればいいとかじゃなくて、「いつでも自分の楽器を把握しておくこと」の大切さを教わったんですよね。
だって、原因がはっきりしなければ、怖くて演奏に集中できませんもの。厚見さんの、あの鬼気迫る集中力は、こういうちょっとしたことにも裏づけされているんですよ。
そう、僕も、そこは同じです。やっぱり、安心して演奏したいです。
なので、僕も重たくても、面倒でも、自分の楽器は自分で・・・
。
・・・あ、いや、やっぱり運ぶのは、手伝って頂けるなら、いくらでもお願いしたいです
(どっちやねん)。いや、ほんと、お願いできる人がいたら、助かりますよね。
そうだなあ・・・こんな話を書いていると、僕が昔厚見さんに、「僕のキーボード運んでよ」ってお願いされたあの時の事、懐かしく思い出します。ダメダメローディでしたけれども
(←ほんとですよ(笑))。
そんな厚見さんと、まもなく、GWの三日間、ご一緒するわけです。どきどき
。今回も機材、なかなかになりますよ。お楽しみに・・・です(笑)。
写真は・・・イメージ映像です(笑)。
キーボードは、まるで、ビルのようです。ズシーって重たくて。残念ながら、決して風船のようではなくて。・・・でも、それがまたいいんですけれどね
。
・・・くぅ、キーボードや厚見さんの話は、どうしても長くなるなぁ(笑)。
ではー。