
色々な音を出せるのが「シンセサイザー」という楽器ですが、
面白い、とか、珍しい、とか、かっこいい、とか、すごい、とか、
そういうのを通り越して、
本当にいいシンセサイザーの音というのは、
ただただ、めちゃめちゃ、
気持ちがいいのです

。
シンセサイザーの種類は、古いものから新しいものまで、全部数えて行けば、何千か、あるいは何万とあると思いますが、
本当にいいシンセサイザーは、そのうち・・・
おそらく、100機種以内には絞られると思います。
その中でも、
好み、というレベルを超えて、
慣れている人も、「シンセって何デスカ?」と、初めて聞くような人も含めて、
本当に誰が聞いても、本当にいい音がするシンセサイザーとなると、
おそらく、20~30機種くらいに絞れてしまうのではないでしょうか。
好きなシンセを挙げろ、と言われたら、この数字は超えるかもしれないのですが、
この、「絶対的にいい音のするシンセ」となると、このくらいが現実的なところではないかと思います。
このうち、ほとんどが、いわゆるヴィンテージといわれるカテゴリーに入るシンセサイザーだということは、
ちょっと残念で皮肉な話なのですが(“テクノロジーの進化”に対して、正常進化していないので)、
おそらく、シンセ好きの人なら、ここまで、「それは違うっしょー」とは思われないと思います。
そして、写真のマシンは、
Matrix-12という、上の20~30台に入るでありましょう、「最後のアナログシンセ」とも言える、本当にいい音がする、名機です。
(ちなみに、読み方は、マトリクス ジュウニ、です。発売当時で100万円ほどもした、外国製の高級シンセであります。)
これは、とある方からの借り物なのですが(僕には、高くて買えなかった・・・)、
とにかく、指一本で弾いても、というか、ある意味弾かなくても(・・・押さえてるだけで、という意味ですよ)、
気持ちいいのです。
先ほども、「ちょっとだけ」と思って電源を入れましたら、あっという間に、時間が。
本当のシンセ好きは、
食べる事すら忘れて、いつまでもシンセを触り続けられるというより、
・・・シンセをおかずにご飯が食べられる、
というかなり特殊な(マニア)な人種ですので、
話は半分で聞いておいて頂くくらいでいいかと思いますが、
とにかく、聴いているだけで、すうっと、気持ちが良くなるのです
。
ただ問題は、ヴィンテージ・シンセは、
壊れるんです・・・どうしても
。
ちなみに、上の20~30台中、個人的には1位に挙げたい、
ミニモーグが、仙人のところから、ちょうど先日戻ってきたところでした。
定期的な仙人による素晴らしいのメンテナンスのおかげか、僕のミニモーグは、すこぶる調子が良いのです。
実は・・・さっきから、Matrix-12も音が出なくなってしまいました。
弾いていたら、一音ずつ、見るみる間に、音が出なくなっていってしまいました・
。
こういう壊れ方が、また、アナログ的・・・。
やはりそろそろ、一度、仙人のところへオーバーホールに出してあげなくては、ですね。
時には、とても沢山の人手を渡ることになる、ヴィンテージ楽器。
今は、僕のところにいるのですから、これは僕が責任を持って、ね。
また、この機種でしか出ない、極上のパッド(音色の種類です)が、聞かせてもらうために。
もう、表ではあまり使っている人もいない古い楽器とはいえ、
もう、おそらくこの先、二度とは作られることのない、
本当ににいい音がする、かけがえのないものですから、
大切に、大切に
。
ではー。