今日、出先で
「Fanitures&Musical Instruments」
という看板の、とても小さなお店を見かけました。
中古屋さんのようでした。
表の貼り紙に「家具、楽器、買取いたします」と書いてありました。
何とはなしに、ちょっと覗いてみようかな、と思って店内へ。
家具と言っても、大きなものは無く、静かな店内には、照明器具や食器などの小物類が、整然と、小奇麗にディスプレイされておりました。
楽器は・・・と思って見まわしますと、壁に白いエレクトリックギター(ストラトタイプ)が一本、
それと、棚には、アコースティックギターが三本、これまた、ホコリ一つ無くキレイに磨かれて、置いてありました。
中古楽器の専門店ならともかく、こういった街の中古屋さんで、こんなに楽器が綺麗な状態で飾られているのは、これまで見た事が無いような気がします。
しかも、どれも価格が・・・「これ、ゼロが一つ足りないのでは?」と思うくらい、低く設定されていたのです。
思わず、「あのう、どうしてこのギターたちは、こんなにお安いんですか?」と伺いましたら、
僕と同年配くらいと思われる男性の店員さんが、とても丁寧に、
「ギターに限らず・・・うちは、どれもお安いんですよ(笑)。」と。
見れば、確かに、家具とかも、とても安い(しかも、どれも言われなければ中古とはわからないくらい、とてもキレイ)。
「実は、うちは、基本的に海外から輸入で仕入れておりまして・・・あと、本店は別にありまして」と。
ここまでの話で僕が察するに、
・・・メインの輸入品は別にお店があって、そちらではちゃんと儲けを出して、
たとえば、コンテナの空いたところに一緒に積んでくる中古品(だから小物が多いのかな、と)は、
このような形で、趣味的にやっているのかな、なんて。
これは、あくまで推測ですが、どうしても、キレイな見た目と価格が釣り合わないのですよ。
なので、一応、念のため。
「・・・どこか壊れてるとか、チューニングが合わないとかは?」
「大丈夫ですよ。もちろん、今は緩めてありますが、ちゃんとチューニングして頂ければ合うと思います。よろしかったら、お試しになってください」
(ギターは保管しておく時は、ネックに負担をかけないようにチューニングは緩めておくのです)
と、しごく、まっとうなお答えを頂きまして、・・・ふむ、と考えてしまいました。
気になっていたのは、サンバーストの塗装のアコースティックギター。
他の二本はナチュラルでした(こちらのページの「フェンダーのギター一覧」の、上から二本はナチュラル。三本目がサンバーストです)。
(でもねえ、ノリで、ギターなんて買ってしまってよいものかねえ。)
(欲しいといえば、欲しいけど、どうしようかな。)
ちょっと考えたのち、
(でも、一度持つだけ持ってみようかな・・・)
と思って、
「あのう、これ、触っていいですか?」
「はい、もちろん、どうぞ。」
と、棚の一番上に置いてあったギターに手を伸ばした瞬間。
脇にあった(らしい)、僕の胸くらいの高さのスタンド型の照明器具が、グラグラッ!とっさに片足を出しましたが、そのまま、すべては支えきれずに、バッターン!
僕が、バックかで、引っかけてしまったようなのです。
店員さんは、ちょうど掛ってきた電話に対応しながらも、こちらを見て、手の平をかざして「(そのままで)」というようなジェスチャーをしてくれました。
・・・が。
照明器具を起してみますと・・・木目の塗装部分に、ちょっと傷が・・・。
電話を終えた店員さんに、
「すみません、これ、倒してしまいまして、ちょっとここに、そのう、傷がですね・・・」
と謝りますと、
「お客さん、大丈夫ですよ。どうか、それはそのままにしておいて下さい。といいますか、そんなところに置いておいたこちらが悪いんです。どうか、全然、お気になさらずに。」
と、きわめてご丁寧な対応をして頂いてしまいました。
「いや、でも、・・・本当にいいんですか?」
「はい、全然、結構ですので。むしろ、狭くてすみません。」
・・・。
「あのう、では」
「はい」
「このギター、下さい。」
・・・という経緯で、今日、アコースティックギターが家にやってまいりました。
お値段に関しては、「本当にゼロが一つ足りないのでは」、というものでしたが、お札をおそるおそる差し出しますと、ちゃんとお釣りをくれました。
ほんとびっくり価格でしたよ。
「こちら、申し訳ございませんが、ケースはありませんので、・・・このままでよろしいですか?」
「はあ、でも、外を裸のギターを持って歩くというのも(笑)」
「そうですよね(笑)。では、こちらの手提げのビニール袋になりますが、よろしいですか?」
と、大きな、白いレジ袋にギターを入れてくれました。
後にも先にも、こういう状態のギターを見たはありませんが、でも、
人生初めての、マイ・アコースティックギターであります。
決して有名なメーカーのものなどではありませんが(ちょっと調べてみましたが、アメリカ製ということ以外は、僕には素性はよくわかりませんでした。)、
・・・でも、嬉しかったです。
そして実は、この間、ガソリンスタンドに、クルマの洗車を頼んでいたのです。
ちょうど、終わった頃合いでしたので、スタンドに戻りまして、ラゲッジスペースを開けて白いレジ袋入りのギターを積み(笑)、
お支払いをしようとしましたら、対応してくれた若い女性のスタンドの店員さんが、
「・・・お客様、ギター、弾かれるんですか?」
「あ、いや、・・・これから、やってみようかなー、と」
「私も、この間、ギター買ったばかりなんです!」
「あ、それはそれは。では、頑張りましょう」
「はい、頑張りましょう!」
と。
思わぬところで、ギターと出会い、思わぬところで、思わぬ方から嬉しい激励を頂きました。
はい、頑張りましょう。
というわけで、またもや、大掃除は、
まさに、
・・・「禁じられた遊び」
によって、ほとんど進みませんでした、という、3月10日大安吉日でございました。
ではー。