「今日は何にしましょう?」
お弁当屋さんにいくと、いつもよりも10分ほど早かったせいか、
まだお客さんが僕だけで、お弁当もより取りみどりでした。
このT京音大から歩いて1分という近所にあるお弁当屋さんでは、おかずの入ったお弁当箱を選ぶと、
ご飯はその場で盛ってくれますので、アツアツご飯が食べれて嬉しいので、
水曜日のお昼は、たいていここに来ています。
「そうだなー今日は、魚かなー」
「お肉かなー」
「中華かなー」
「三色弁当なんてのもあるなー」
そんな中、ひときわ目をひいたお弁当がありました。
「ポーク生姜焼き弁当」
という名前の、一見、ステーキが二枚はいっているかのような、大きなお肉の、ポークソテー弁当でした。
「(なんだこれ。初めてみたな)」
と、一度手に取ったところで、
「まてよ。食べたこと無いしな、評判も知らないしな」(←たいていのお弁当は、他の先生方や助手の方から情報を得ているのです)
と、1秒ほど躊躇したところで、
「あー、お腹減ったー!」
「だよなー」
っと、サラリーマンの方々が大勢、来店されました。
それまで一人で、きょろきょろと選んでいた(=目移りしていた)のですが、
もう、そんな余裕はありません。
どのお弁当も、2~4つずつの品ぞろえ(その代り、お弁当の種類は二十以上あります)。
勿論、無くなればまた厨房から出てくるのだと思いますが、とりあえず、急いで決めねば。
サラリーマンの皆さんは、すぐにお弁当を決めて、どんどんご飯を詰めてもらいはじめました。
そして目の前にあった、4つのから揚げ弁当のうち、二つが売れてゆきました。
ポークソテー弁当は、まだ二つ、そのままです。
反射的に、から揚げ弁当に手が伸び、僕はそのままレジに並ぼうとしたところ、
僕の後に入ってきたサラリーマンお二人が、
「あ、まだポークあったぞ!」
「お、やった」
と、そのポークソテー弁当二つを、それぞれ手に取ったのです。
「(まじかー。それ、そんなに美味しいのかよ。そっちにすればよかったか・・・)」
というのが、僕の偽らざる、その時の気持ちです。
・・・いやしいですね。
そして、簡単に人の言動に左右されるという、この軽さね(笑)。
というわけで、今日は、”安心の”から揚げ弁当でございました。
勿論、これはこれで、十分に美味しいわけですが、
今日に限っては、
「あそこで、別な選択をしていれば・・・」
とやや、ほんとうに、ややですよ(笑)、
後悔の味が混ざった、から揚げ弁当でございました。
ごめん、から揚げ弁当。
来週も、から揚げ弁当にするからー。
・・・からー。
・・・からー、あげー。
・・・あ、来週は学校休みだ。
ではー。