稽古なる人生

人生は稽古、そのひとり言的な空間

千葉、宏道会の小野派一刀流

2018年03月08日 | 剣道・剣術
昨夜7日は学校行事の関係で稽古も無いので、
仕事が終ったあと、保存していた動画や写真を見てあれこれ思い出していた。

2008年の秋口に千葉の市川から宏道会の佐瀬霞山氏と岡根谷無刀氏が見えられた。
ついこの間、だと思っていたが、もう10年も前のことである。

宏道会は小川忠太郎先生(範士九段)が最高師範だった道場で、
言わば長正館とは親戚筋になる小野派一刀流の道場である。

宏道会の佐瀬霞山氏と岡根谷無刀氏の演武は、
大太刀60本、小太刀、合小太刀、刃引き、払捨刀、高上極意五点で、
これを残暑で蒸し暑い長正館で、休み無く連続して行う過酷なものであった。
両氏の演武には、自分達の一刀流には無い力強さ、真剣味が溢れ、
その後の自分の修業の指標に少なからず影響を受けた次第だ。

動画はいま見ても面白い。
長正館の一刀流は静かで滑らかで美しいが、
個人的には宏道会のような荒々しさが好きである。

さて、関連したちょっとした思い出である。
当日、両氏は予定時間より少し早く来られた。
まだ何の準備もしていないので、あわてて掃除をし始めた。
その時、岡根谷氏が「長正館では上の者が掃除するんですねえ」と言われた。

考えてみたら、いつも稽古の数時間前に我々指導者が来て、
早く来た者が、自主的に掃除をして、順次稽古をしていた時代だ。

だから一般の練習生が来る頃には、
掃除も、ひと通りの稽古も終わっていたわけで、
新人や一般の練習生は掃除をする必要が無かったのである。
いや、掃除をするという意識すら無くなっていたのだ。

指摘され、これを機会にルールを作り、
掃除は稽古の直前に、一般練習生がするようになった。
そして指導者は自分のレベルアップのみ専念出来るようになったのである。
なんだか小さなことでもあるが、これも影響を受けた一例である。

当時の稽古は朝の7時15分から始まる。
指導者は朝の4時や5時に来て稽古をしていたわけだ。
指導者が誰より早く道場に来て、掃除をして、稽古をしていた時代。
苦にもならなかったし今に無い充実感があった時代だ。

率先して掃除する。率先して稽古をする。
先に先に行動するという姿勢は大事にしたい。
稽古の中身だけが修業では無いと思う。


(宏道会の佐瀬霞山氏と岡根谷無刀氏の演武、動画のキャプチャーより)

以下は保存した画像の中から・・・


(懐かしの画像、長正館の玄関を入ったすぐ)


(懐かしの画像、奥の階段前の洗面所)


(懐かしの画像、通りから見た練習生募集の看板)


(笹森順三「循環無端」の額)


(笹森順三「一刀円相」の額)


(笹森建美「回炎剣」の額)


(懐かしの画像、長正館の表玄関)


(懐かしの画像、表から見た練習生募集の看板)
コメント
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