万引き容疑で警官逮捕=大阪
ホームセンターでシャンプーを万引きしたとして、
大阪府警寝屋川署は25日、窃盗容疑で府警高槻署の警部補
上平和彦容疑者(56)=同府守口市春日町=を現行犯逮捕した。
「お金を払うのがもったいなかった」と容疑を認めているという。
逮捕容疑は25日正午ごろ、同府寝屋川市日新町のホームセンターで、
詰め替え用シャンプー3点を盗んだ疑い。
府警監察室によると、店外に出たところを店員2人に取り押さえられた。
所持金は数万円あったという。(2018/03/25-時事通信社)
実は私には万引きの前科がある。
もう43年も前の19才の頃のこと。
東京は葛飾の金町駅前の東急ストア。
ふと思い出し、乗り継ぎの金町で降りて修正液を買いに行った。
当時は修正液は大学生の必需品でちょうど切れたのを思い出したのだ。
修正液を手に取ってレジに並ぼうとしたら長蛇の列で、
たった1個の買い物で長時間も並んでいるのが馬鹿らしくなってそのまま店を出てしまった。
早く帰って溜まっていた実験レポートを書き上げたかったのだ。
少し歩くと両脇から警察官。
「ちょっと交番まで」と言われ観念した。
足が震えた。しまった!どうしよう!と戦慄が走る。
持ち物全部を調べられ「お金があるのならきっちり買いなさい」
「あなた、親元を離れて勉強しているんでしょ?
こんな事が親御さんに知られると本当に親は悲しむよ」と長々と説教された。
金額が少ないこともあってか、始末書を書かされただけで済んだ。
修正液はそのあとレジに並んで買って帰った。
修正液を使い終わるまでずっと責められているようで辛かった。
思い起こせば、わずか4才の時に伏線があったのだ。
当時、兄たちは幼稚園や小学校に行くので私だけよく連れ回された。
ある日、お袋に連れられ、市電に乗って今里のお袋の友人宅
(今里のおばちゃんと呼んでいた)へ行った。
今里の通りに面した友人の家。
ガラス戸の通りに面した細長い家だった。
お袋はお喋りに夢中で「2階へ行ってチンチン電車でも見とき」と言われた。
私は見晴らしの良い2階に行き、通りの往来を眺めたりしていた。
春なのか秋なのか、寒くも無く、日当たりが畳の上を照らしていた。
そのお宅には子供の遊ぶようなおもちゃも絵本も何も無い。
当時はお袋に連れられ出かけるのが多かったが、
同世代の者も居ない先では退屈で退屈で仕方が無かった記憶ばかりだ。
ふと見ると化粧台の上に指先程度の小さなトランプが置いてある。
私はそのトランプで遊び始めた。きっと並べて遊んだのだろう。
やがて時間が過ぎてお袋と一緒に心斎橋の自宅に戻った。
家に帰って着替えた時にポケットからポロリとトランプが出てきた。
お袋が驚き「これどうしたん?どっから持ってきたん?」とえらい剣幕で追求する。
「こんなんしたら泥棒や、牢屋に入らなアカンのやで!」って泣きながら叱られた。
私もオンオン泣きながら謝った。4才だがしっかり憶えている辛い記憶だ。
そんな事を下宿までの電車の中で思い出しながら、
もう二度と警察沙汰になるような卑しいことはしないでおこうと心に誓った。
あの時に捕まえてくれた金町駅前の交番のお巡りさんには今も感謝している。
今回の寝屋川署の警察官も幼い頃に物を盗った経験があるのかな?
今まで捕まらなかった彼も不幸だなあ・・・
などと思いながら記事を見て思った次第である。
万引きなどするものではない。人生が勿体ない。