【鯛引き行列や太鼓演奏、餅まきなども】
日本最古の市場「海石榴市(つばいち)」の守護神を祀る三輪恵比須神社(桜井市)で5~7日「三輪の初えびす」が行われた。宵宮の5日には一刀彫の巨大な鯛などを曳き回す「鯛引き行列」や三輪素麺初市相場奉告祭、初市大祭の6日には煮麺の無料接待。そして最終日7日には「御湯(みゆ)の神事」やごくまき(餅まき)などもあって、3日間多くの参拝客でにぎわった。
同神社はJR三輪駅から南西に徒歩数分。「御湯の神事」は午後2時に始まった。拝殿前には8つの古い釜。それぞれに木がくべられ湯気が立ち上る。巫女さんが両手に持った笹の葉を釜の湯に浸し上下に振ると、そのしぶきが勢いよく飛び散った。しぶきが掛かると無病息災などの御利益があるという。神事が終わると、参拝客はお守りになるという笹の葉をもらったり、湯飲み茶碗で釜の湯を頂いたりしていた。
その後、同神社青年会のメンバーでつくる太鼓グループ「和太鼓大美和」が勇壮な太鼓の演奏を披露。午後4時からは紅白の屋台の上から餅まきがあった。餅が2個ずつ袋入り。後方にいたため収穫ゼロだったが、中には大量の餅が入ったポリ袋を手に笑顔で帰る人の姿も。境内の一角に佐藤春夫の句碑があった。「海石榴市の野路に飛び交ふ蟲や何」。1963年に三輪山麓の海石榴市伝承地を訪れたときに詠んだという。