く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<十津川村点景②> 「野猿」爽快! 青い清流と緑の山々 360度の眺望を独占

2015年07月03日 | 旅・想い出写真館

【〝人力ロープウエー〟自力で引き綱を手繰り寄せながら対岸へ】

 「野猿(やえん)」は十津川村特有の交通手段。川の上に張られた2本のワイヤロープにぶら下がる木製の「屋形」に乗り、引き綱を手繰り寄せながら対岸に渡っていく。猿がツルを伝って移動する様子に似ていることから野猿と名付けられた。かねて一度体験したいと思っていた望みがようやくかなった。

 吊り橋が架けられるまで野猿は村民が対岸に渡るための唯一の交通手段だった。かつて村内に何箇所も設けられていたという。野猿は国道168号を南下し十津川温泉郷を過ぎて上湯温泉に向かう横道に入ってすぐの所にあった。平日の昼下がり。幸運というか、観光客は一人もいなかった。

 

 「危険ですので、身を乗り出したり、ゆすったりしないで」という注意書きを読んだ後、早速試乗へ。屋形は1人乗りで、こぢんまりとした造り。乗り込んで床に座りロックを外して綱を引くと、ゆっくり動き出した。綱の直径は3~4cm。対岸までの距離は100mほどか。綱引きのように両手で引っ張ると、途中から順調に進みだし川の中央付近へ。ここで一休み。爽やかな風と清流の音が涼やかで心地いい。視界をさえぎるものは何もなく、緑の山々が連なる360度の眺望も満喫できた。

 対岸近くまで行ったところで体勢を入れ替えて逆戻り。ところが次第に腕が疲れてきて思うように進まなくなった。中央付近からは何回も小休止。ワイヤロープは屋形の重みによって中央部分が最も低くなる。一方、岸辺の乗り場付近は高いから緩やかな上りになる。その分、より腕力を要するのだ。野猿が生活の足だった頃、女性やお年寄りたちはさぞかし大変だったことだろう。野猿は第三セクターが運営する近くの温泉リゾート施設「昴の郷」内にもある。利用はいずれも無料。

 

 野猿で貴重な体験をさせてもらった後は十津川温泉の「庵の湯」(写真㊨)で汗を流した。十津川村が全国に先駆け村内の全温泉施設を対象に「源泉かけ流し宣言」をしたのは今から11年前の2004年。それを記念した感謝祭の一環として6月30日まで村内4カ所の温泉施設が無料開放中だった。せっかくの機会なので、湯泉地(とうせんじ)温泉の「泉湯」にも入浴させてもらった。

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