【四角・六角・八画のお神輿3基、〝裸坊〟に担がれお旅所へ】
山口七夕ちょうちんまつり、山口天神祭と並ぶ山口3大祭りの1つ、八坂神社(山口市上竪小路)の「山口祇園祭」が20日の御神幸祭を皮切りに始まった。京都の祇園祭を取り入れる形で祭礼が始まったのは約550年前の室町時代から。市内中心部では御還幸の27日まで様々な行事が繰り広げられる。
御神幸祭は四角、六角、八角の3つのお神輿に祭神の素盞鳴尊や稲田姫命をお乗せして山口駅通りのお旅所までお送りする神事。地元の小学生の女の子4人が巫女さんの装束で「浦安の舞」を優雅に奉納した後、境内の一角で3台のお神輿を前に「鷺の舞」が奉納された。この舞は白鷺の作り物を身に着けて舞う風流(ふりゅう)芸能の1つ。京都・八坂神社から山口の八坂神社に伝わり、さらに山口から島根県津和野町の弥栄(やさか)神社に伝わった。
本家の京都では早くに絶えてしまったが(近年復活)、山口の「鷺の舞」と津和野の「鷺舞」は今も続く。山口の「鷺の舞」は県指定、津和野の「鷺舞」は国指定の重要無形民俗文化財。「鷺の舞」には鷺役2人、小鼓を胸に下げた鞨鼓(かっこ)役の少年2人らが登場し、伝統の舞を披露した。古典芸能らしく単調な中にも雅な一面を感じさせる舞だった。この後、お神輿は約580人の〝裸坊〟に担がれ守られて、中心商店街を経由しお旅所に向かった。