く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ぐるっと南紀②> 「橋杭岩」串本から大島に向かって奇岩が林立

2015年07月12日 | 旅・想い出写真館

【捕鯨発祥の地・太地町は一見平穏だが……】

 なにかと話題を集める和歌山県太地町のイルカの追い込み漁。ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」で矢面に立たされたり、国際組織の圧力で日本動物園水族館協会が追い込み漁で捕獲したイルカの入手を禁止したり……。「わが国捕鯨発祥の地」ともいわれるだけあって、町に入るとクジラ一色。車で町内に入ると、実物大というザトウクジラ親子の巨大なモニュメントが出迎えてくれた。今は追い込み漁のシーズンオフ。ということもあって、町の様子も表面的には平穏だった。

 

 くじら浜公園内には「くじらの博物館」や「捕鯨船資料館」「海洋水族館」などがある。熊野灘を一望する梶取崎園地には「くじら供養塔」(写真㊧)があった。その前で毎年4月供養祭が行われるという。シカはここにも現れるらしい。園地の草むらに黒いコロコロとしたシカのフンの固まりがあり、若木は幹を保護するためか金網で囲まれていた。梶取崎灯台は日本最古の石造り灯台。岬の突端には「古式捕鯨梶取崎狼煙場(のろしば)跡」という記念碑(㊨)が立っていた。

 太地町に別れを告げた後は一路、橋杭岩へ。その景観はこれまで電車内から眺めるだけで、間近で見るのは今回が初めて。大小40余りの岩の柱が幅15m、長さ900mにわたり、大島に向かってまっすぐに伸びる。熊野灘の荒波が造りだした鬼ケ城とはまた一味違う不思議な奇岩・怪石の造形美。その雄大なスケールには、京都の有名な石庭も足元にも及ばない。この橋杭岩が生まれた背景には自然界のダイナミックな営みがあった。

  

 弘法大師にまつわるこんな伝説がある。天邪鬼と一晩で橋を架ける賭けをした大師が一夜にして立てた――。だが、実際には地下から上昇したマグマによる〝傑作〟という。マグマが泥岩層に入り込んで固まった後、波の浸食で軟らかい泥岩層が削られ硬い部分だけが残った。長く眺めていると、1つ1つの岩が個性を有し自己主張しているように見えた。お坊さんが大島に向かって手を合わせているような姿のものもあった。橋杭岩の周りにはあちこちに大きな岩、岩、岩。それらは橋杭岩の〝かけら〟という。朝焼けをバックに橋杭岩の写真を! 曇天でその願いはかなわなかったが、堂々と屹立する姿をしっかり目に焼き付けることができた。

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