言葉のチカラこぶ——『いい言葉塾』

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「楽しく働く」(その5)ーー有限会社中里スプリング製作所ーー

2012-12-03 11:42:20 | 生き残るということ
こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。

このカテゴリーでは、過去に一度メルマガ「あの社長に会いにいく」で配信したことのある内容を、このブログでも紹介してみようと考えました。従って時期や季節などまちまちで、タイムリーでない内容もあると思いますが、基本的には内容を変えないでそのままにしています。
しかし、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回、月曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)


「楽しく働く」(その5)ーー有限会社中里スプリング製作所ーー


中里さんが社長になってからやったのは、まず下請けから脱し、直接メーカーと取引することだった。

それも特定の数社によりかかるのではなく、少量発注でもいい、たくさんの取引先を確保することをメインにしようと思った。

この時に考えたのが、仕事は楽しくやろうということだった。

どんなに取引額が大きくても、嫌々やっていたのでは、他の仕事にも悪い影響を与えてしてしまう。

それよりもその取引先が好きか嫌いか、その仕事が好きか嫌いかを基準にすると、楽しく仕事ができるのではないか。

営業というものは、できるだけ安く買って、できるだけ高く売るという損得計算の上に立って行っている。

しかしその上に立って仕事をすると、いつまで経っても、安い見積りを出して仕事を受注することから抜け出ることができない。

損得勘定だけで行くと最後まで損得勘定で終わり、頭のいい人に足もとを掬われて、結局損失で終わってしまう。

さらにそれは常に相手に従っていることに他ならない。

仕事とはおたがい対等の立場で行ってこそ意味がある。

フェアトレードである。

フェアトレードはお互いの利益を確保し、お互いが幸せになることである。

そんな取引を実現させるために、仕事の基準を「好きか嫌いか」に置くのだ。



好き嫌いで仕事はできないという中途半端な人がいるが、自分はどのように生きてきたか見れば判ることだ。

学校に入学してから部活を選ぶ場合の基準はなんだろう。

まさか嫌いなクラブには入らないだろう。

嫌いな人とすすんで友達になろうとするだろうか。

そういうことだ。

好き嫌いは、人間が本能的に持っている原初的な価値観なのだ。

狂いのないセンサーだ。

猫のひげだ。

このセンサーが嫌だというシグナルを発しているときは、やめた方が結果的にいいのは誰もが経験していることだ。

仕事も初めはきっと好きな仕事をめざし、それを選んで入ったわけだが、どうして会社に入ったとたんに損得勘定になってしまうのだろうか。

そのままだったらその他大勢の人間たちのひとりに終わってしまう。

入社して10年、20年経ったらもっと好きになっていなくてはいけないのに、ほとんどの人はその逆になっているというのは、不思議だ。

その根本は、会社に使われているという思いの人が多いからではないだろうか。

それが間違いなんだ。

逆なんだ。

会社に使ってもらってるんだ。

きな傘の下で不満を言っている人は被害者意識が強い。

いやだったら早くリタイアすればいい。

そこで自分を試してみればいい。

自分を高く評価してくれるところにいけばいい。

不満を鳴らす人というのは、自分のことが結局判っていないんだ。

自分の居所が分からず、あっち行ったり、こっち行ったりでどこに自分が行けばいいのかも判らない。

そういう人というのは、誰かに行く方向を指差してもらい、さらに命令されなければ動こうともしない。

出る杭は打たれる、ということわざがあるが、受け身でしかものを考えられない人は、じゃあ引っこんでじっとしていればいいと考える。

しかしこの時代、引っこんでいる杭は役立たずということで、引っこ抜かれてしまうということが判らない。

それよりも誰にもたたけないほど出てしまえば、いいということが判らない。



今の人で多いのは、みんな横一線に並び、誰かそのラインから出ていないか、それしか気にしていない人たちだ――中里さんはこれをネガティブな意味合いで、“平凡力”の持ち主たちと称した。

言い得て妙だ。

まず考えなければならないのは、自分の居所をはっきりつかみ、それをお金に換える努力をしようということだ。



<その6>へつづく。

(実際に訪問した際のインタビューを元にしています)



それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。

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