昭和28年から5年間を過ごしたK市の下宿先 Mさん宅へ50年ぶりの訪問。
周りの環境は様変わり、当時の面影は殆どなく、一抹の寂しさを覚える中でMさん夫妻の以前と変わらない暖かいお人柄に触れ気持ちも和む。
ご主人は91歳 奥様は88歳 体の動きは多少ゆっくりだが、相変わらずの「ほうじ茶」をいただきながら、あまりにも積もる話が多すぎて何からお話するかも分からないままに、殆どがご夫妻からの話題で終始、約1時間の時を過ごす。
町内会長としての実績と、ご夫妻のお人柄で、お付き合いの範囲も広いので、お喋りする機会も多いが、冠婚葬祭のお付き合いも忙しいというご夫妻、少々大変だが几帳面に出席しているのも元気を保つ要因だと言う。
思えば、ご夫婦共に何時も穏やかで、大声での夫婦の会話や子供達を叱りつける声は聞いた覚えがない。長生きしているお年寄は、表情が明るく、大らかで、くよくよしていないのが共通しているよう。
帰り際、今度来るときは、泊りがけで来てくれと声をかけるあたり、年齢を忘れているのかと思うほど、元気を与えてくれる頼もしい年寄のモデルが、また一組増えた。