今の時代、昔と違って、日常、家で着ている普段着とお出かけの時に着る「よそ行き」との区別はない。
爺の子供の頃と言えば、戦時中の事でもあり、新しいものを買ってもらうことは少なく、運動会に新しいパンツを買ってもらった覚えはある。
当時は、食べ物、着る物、おもちゃなど、のべつ幕なしに買い求める習慣は無く、お正月、お盆、お祭りなどの節目に買ってもらうのが一般的、子供たちは、その日を楽しみに待ち続ける。
もっとも、お金持ちのお坊ちゃま、お嬢ちゃま、は例外だが。
お正月には、普段に着ない着物を着たり、普段の食卓に出る、いわし、にしん、ほっけ、めざし等の大衆魚から軒先に吊るしてあった鮭に変る。
年に一回の鎮守様のお祭りには、友達とお小遣いを持って境内の露店で買い物、「ハッカパイプ、センコハナビ、メンコ、ラムネなど」。
お盆には、父の実家で、講談社の絵本を買ってくれる、「八幡太郎義家」の名前は今も覚えている。
時々、デパートで買い求めた衣類、直ぐに着ようとしない爺、「よそ行き」の意識が,いまだに、とれないようで。