ホームセンター駐車場で運転席に座ったまま手を振って爺を招いている年寄りが、どこの爺かと近寄れば、昭和44年頃の直接の上司、F さんとの思いがけない出会い。
彼の第一声は「死んだと思ったろう」今は毎日、奥様のリハビリに整形外科への通院、買い物と時々ドライブしていると言う、足の短いFさん、座席を目いっぱい前に出し、ハンドルに抱きついた感じの彼と、しばし話しこむ。
免許証を見せながら87歳になったというFさん、視力は1.2で眼鏡の使用なし、旧軍隊では憲兵という前歴の持ち主だが、初めての仕事に戸惑っていたFさんを当時は、職務、気力 体力共に充実した30代半ばの爺、Fさんの補佐役として負担も大きかったが自身の研鑽につながり、「教えることは学ぶこと」今も昔も同じ。
温厚な人柄で、何を言われても、にこにこ顔で怒った態度を見せなかった御仁だが、職務上とは言え、時には暴力団相手に黙々と渡り合った彼を思い出しながら、穏やかで、小さなことに拘らず、太っ腹な人柄が、今の元気を保っている秘訣なのかも。