子供の頃に見た大家族時代の爺は一家の万事を采配する存在、婆は爺に忠実な補佐役として、親子げんか、兄弟げんかの仲裁やら、孫の世話やら、毎日が忙しい存在、惚ける暇もなかったろう。
昔の農家の年寄りも、農作業の手助けと孫の子守り、農閑期は近所同士で自家製の漬物や煮物でお茶飲み、今は機械化で年寄りの役割はなく、近所付き合いも希薄になって、惚ける者が多くなったとも言う。
ボランティアで中学生と接する機会があるが、みんないい子ばかり、何気なく家に、爺ちゃん、婆ちゃんが居るか声をかける度に、目に見えない年寄りの役割の大きさを感じ取る。
家族の負担を出来る限り先送りするための健康管理と後輩の年寄りに喜んでもらえる奉仕活動が、今できる爺の役割だと思って、深い知識も経験もないが、多少なりとも役に立てばと。