昭和13年~28年まで過ごしたJR羽越線坂町駅界わいは、鉄道の町、鉄道の要所として栄えた地、山形県米沢と坂町を結ぶ米坂線乗り換え駅とあって、朝夕のラッシュ時は人の波だった。
爺も中学と高校時代の6年間を通学で利用した懐かしい駅である。列車が到着する度に、「小国、米沢、赤湯方面乗り換え」と繰り返す駅の案内放送を聞きながら見知らぬ地に憧れていた。
50年後になって米坂線に沿った国道113号線をドライブして、小国の道の駅「白い森おぐに」、家内の趣味である米沢の刺し子工房 創匠庵、南陽市の赤湯温泉が、憧れていた最初の訪問先となった。
鉄道官舎で育った爺、休日には一日中、駅の案内放送を聴きながら、時には寝言にまで口走った小国、米沢、赤湯の地は青春時代から爺の脳裏に保存されたまま、今も削除されていない。