爺が小学生だった昭和10年代は、一般家庭で自転車を所有する家は少なかった。呉服店だった母の実家には2台あって小学校3年生の頃だったと思う、叔父さんから自転車の乗り方を習った。
大人の自転車なのでサドルに腰かけることが出来ず、フレームの三角形の中に右足を入れて、ペダルを半回転させながら前に進めるのである。不安定な乗り方なので何回か転びながら覚えた。
戦後の爺が高校生になった頃から裕福な家庭では自転車を所有するようになった。我が家で自転車を買ったのは昭和28年、父が自転車と並んで撮った写真の表情が嬉しそうなこと。
昭和26年村役場の税務課で日給150円の臨時職員をしていた時のこと、当時の自転車税が確か200円だった。自転車の所有者も増えたが自転車税を滞納する家庭も多かった。