結婚した昭和三十三年に初めて自家用の自転車を買い求めた。値段は覚えていないが、当時の給料で新車を買うのは厳しく、中古の自転車だったが通勤や買い物に活躍してくれた。
子供がが生まれてからは、公園やプールへ連れて行ったり、親子を楽しませてくれた。長男が小学生になった頃には、子供たちの殆どは子供用の自転車を持つようになった。
当時の生活道路にはタクシーなど営業用の車しか来ないので、交通事故が発生するような危険はなく、何処の子供たちも伸び伸びと道路で自転車で楽しんでいたものである。
小学校でも自転車を利用する生徒が増えたので免許制となり合格しないと自転車に乗られなくなった。自信たっぷりで乗り回していた低学年だった長男がまさかの不合格、暫くは家で寂しそうだった。