半世紀にわたるサラリーマン時代の中で昭和52年~55年3月まで3年間の僻地勤務を体験した。冬は平場でも3メートル程の積雪である豪雪地帯でもあり、空は何時も鉛色だった。
除雪車が頻繁に走り回っているが、路面は常に圧雪状態の日が続くので、自動車は常にタイヤチェーンを着用している。地元の人たちは全輪駆動車が多いのも生活の知恵でもあり納得である。
静かな農村地帯で山間地のために棚田が多く、代掻き後の水を張った田は美しかった。犯罪のない静かな環境で警察署も暇そう、時々田畑へ向かう耕運機やバイクの免許証を確認していた。
若い頃は、ネオン輝く都会に憧れていたが、今の爺は人混みのない静かな農村に憧れている。嫌なこともなかったが、楽しかったこともなかった3年間勤務した僻地に思いを馳せている。