爺の世間ばなし

思いつくままのお喋り

母の実家

2024年05月01日 | 日記
昭和10年代の田舎の小学校は、春、夏、冬休みの他に春と秋には農繁期休みがあった。爺は休みになると、しつけのためか、呉服店だった母の実家で過ごしていた時のことを断片的に覚えている。

店は殆ど大婆ちゃん(祖父の姉)が針仕事をしながら接客、近郷近在からの馴染み客で賑やかだった。時には爺が店番を頼まれ、お客が来ると大婆ちゃんを呼んだり、針の溝通しを手伝ったりしていた。

実家では5歳年上の叔父さん(故人)とは言え、お兄さん的な存在で夏は魚釣りに、冬はスキーに、爺の子守役をしてくれていたと思う。囲碁、将棋、麻雀に才長けた人だった。

年の暮れの夜だつた、売掛金の集金のため祖父は大福帳を持ち手首に集金袋をかけ、爺は提灯を持ってついて行ったことがある。現金を受け取ると大福帳の記録を筆で消すことで受領書になる。

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