世界の車生産に影響を与えている東日本大震災
日本の独特の「サプライチェーン」が崩壊
毎日の新聞報道が、日本のもの作りの混迷ぶりを強調しているが、その最大の理由は、部品や材料のサプライムチェーン、いわゆる「供給体制」の崩壊だといわれる。
自動車は3万個、携帯電話でも約2千個の部品から成り立っており、これが一つでも欠けると製品が作れない仕組みになっていることだ。あらかじめわかっておれば、準備も出来たかも知れないが、災害時にはそれも出来なかった。
しかも、今回の大震災でわかったことは、完成品メーカーが、部品メーカーの状況を正確に把握できていなかったことが、今回最大の混迷の理由と言われる。1次、3次、あるいは4次・・・までの日本のもの作り下請けシステムの複雑さだったのだろう。
もう一つは、自動車メーカーの混乱で言えば、今回の大震災地である東北や北関東に500社以上の部品製造企業が点在していたこと。これも驚きだが、更に、この完成品メーカーが、直接目配りして把握していたのは、直接取引していた半数程度で、重要部品である半導体などでは、それ以外の2次、3次の供給者に頼り、完成品メーカーの視野の外で、震災直後は、「どの部品が不足するか」さえ、分からなかった状態だったと報道されている。
又もう1点は、大震災による部品調達の停滞が世界の自動車メーカーの生産まで影響していることが判明したことである。
今回のサプライムチェーンによる調達網が幾重にも寸断されたことにより、米国のトヨタ自動車やGMなど日米の主要メーカーや韓国自動車メーカーなどまで減産に追い込まれていることから、世界にまで影響していることは、「世界が日本の部品・素材を待っている。」と言うことだ。
今、日本の部品メーカーである東北、北関東地域の中小企業の復興を世界が見守っている。このことは、日本の回復次第では、海外の自動車、電機メーカーが、部品の調達先を日本以外に切り替える動きにもなりかねない。それほど重要なことだと言うことを、再認識し、復興を急ぐべきだということだろう。関係者の皆さんの、一刻も早い立ち上がりを願っております。
かごしま企業家交流協会 かごしま暮らしネット
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