福島第一原発事故で明らかになった、想定外のウソ。
東京電力の責任はあまりにも大きい。
東京電力、今まさに世界にこの名は知れ渡った。この東電を4月25日の日経ビジネスでは、 「想定外のウソ」として3つあげている。
3月11日の大震災以降、東電のうそは、いろいろと報道されており、大方の人々が、この3つのうそには、なるほどと改めて感じているのではないだろうか。
まず、 「第1のウソ」は、「想定外の津波はウソ」だと指摘している。これは、地質の専門家である産業技術総合研究所活断層・地震研究センター長の岡村行信氏が、2年前から東北全域を襲う大津波が襲来する可能性を東電に指摘していたという。
「第2のウソ」は「電源は大丈夫のウソ」と、指摘している。地震と津波が来たとき、福島第1原発の最後の砦の「ECCS(緊急炉心冷却装置)」が稼動したものの8時間後にバッテリーが空になって停止。大急ぎで電源車を持ってくるがつながらない。電圧が違う。配線ケーブルが届かない。非常時にあってはならない初歩的なミスが重なっている。「想定外」でも「割り切り」でもない。「想定内」だったのに「想定外」として、簡単な準備すらきちんとしていなかったことになる。
昨年10月には、原子力安全基盤機構が、「3時間半の電源喪失で炉心溶融の危険性がある」と報告しているのに、東電は、この報告書を踏まえた対応をとっていなかったことを認めているという。
「第3のウソ」は「マニュアルは完璧のウソ」だと指摘している。マニュアルという書類主義が、現場力を低下させ、歯止めがかからなくなったという。マニュアル主義は、作業をする現場の人の判断力、士気が低下させ、故障が多発する原因となっているという。アメリカでは、マニュアル主義で、故障が多発したので、90年代にマニュアル管理から現場力に委ねる運転へと舵を切っているという。この点は、日本の原発関係者も一様に認識していたが、最後の事態となる前に手が打てなかったとのこと。
これ以外に、日経ビジネスでは、「原発のもう1つの『ウソ』」として「『高コスト』も隠された」と指摘している。原発の電力コストは火力発電や水力発電より安いという計算があるというが、しかし核燃料最終処理に19兆円弱のコストがかるという。
高レベル放射性廃棄物の最終処理まで含めれば、50兆円かかるという見方もあるという。
この日経ビジネスの記事から見ると、「安全で安い原発神話」は、福島原発を見る限り、今の現状のままでは、完全に崩壊したと言える。今後の信頼回復には、まずは、早急に福島原発事故の収束がスタートラインではないだろうか。
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