よかど!鹿児島

企業家交流協会のモノづくり、人づくり、地域づくりのための支援活動や鹿児島の魅力などについて情報提供していきます。

日本の素材力/どうなる日本経済(125)

2011-04-12 06:10:15 | どうなる日本経済

日本製「部品枯渇、身構える世界」、改めて存在感が浮き彫りになった。

一方で、長引けば「顧客失う懸念もある。」という。

 先日の、日経新聞に標記のような見出しの記事が掲載された。

以前にも、このブログで、「日本の素材力は世界一」と書いたが、まさしく今回の大震災でそれが改めて実証されたとの報道がなされており、日本の存在感を示している。日本しか作れないオンリーワンの素材や部品が多く、半導体の生産停止で世界への影響は最大40兆円との試算もだされている。

日本の存在感が改めて浮き彫りになったとはいえ、簡単に喜んでもおれない。被災企業の復旧への懸命の努力が続けられているが、米国の東海岸にある電子部品の商社では、大震災の余波で、日本製部品の調達とそれににかわる代替品の調達で多忙を極めているという。

今回の大震災は、世界のサプライチェーンに緊張を与え、米ゼネラルモーターズや米アップルなどを、一部操業停止に追い込んでいる。これは日本の素材・部品メーカーがこれまでの誰もが同じものを作る「横並び方式」から、「オンリーワン」「ナンバーワン」の技術・製品づくりを行ってきた結果である。

例えば、車の運転制御に欠かせないマイコン、最大手ルネサスエレクトロニクスの茨城県ひたちなか市の工場などの操業停止が1か月半続けは、世界の自動車生産の約6,5兆円分が失われ、薄型テレビの生産も4,000億円規模で停止する可能性があるという。また、シリコンウェアーの世界最大手の信越化学工業の子会社の生産が1か月半止まると、世界の半導体生産が約1.5兆円減るという。

これほど、日本製の素材や部品の存在感は改めて浮き彫りになったのは事実だが、今後長期に復旧できないことになると、阪神大震災で被災した神戸港が復旧に2年掛かっているうちに、韓国・釜山港にシフトした貨物が神戸に戻らなかったように、日本経済のけん引役である製造業でも、生産基地としての日本の役割に見切りをつけられ、海外製品に代替される危険性を持っている。

その意味では、被災した製造業の復旧は、今後の日本全体の製造業の浮沈が掛かっていると言える。

かごしま企業家交流協会
hpp//www.kagoshima-kigyouka.com/
 
 

かごしま暮らしネット
hpp//www.kagoshima-kurashinet/
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする