さてタイトルの「フェザー」といえば?
ボクシングのフェザー級を思い浮かべる人より、剃刀を思い浮かべる人のほうが圧倒的に
多いと思いであろう、その道ではダントツの信頼度を誇る「刃物」の会社。
30年位前、嫁の女友達が自分で喫茶店を開店したんやけど、その友達のお父さんがこの
フェザー社の重役をしておられた関係で、開店祝いとしてこのフェザー社の「爪きり」をもら
ったことがある。
そしてそれから30年経った今。ウチの家族は皆、この爪きりでしか爪を切らない。というか
まだこの爪きりを使っている。それは、他の爪きりとは圧倒的に切れ味が違い、しかも30年
経っても全くその切れ味が落ちることがないからだ。
何がどういいのか分からんけど、もちろん素材の良さが基本にあるとして、他のと見比べる
となんか刃の微妙なカーブとか刃の厚みなんかが違う。きっとものすごく緻密な計算と、そ
れを商品化する並外れた技術力からこの爪きりは生まれたんやろうね。
千葉にいてる長女などは、どんな爪きりを買ってもこの爪きりのように切れないので、たま
にこっちに帰ってくる時まで爪は切りたくない、とまで言いだす始末。でもこの「フェザーの
爪切り」は今市販されていなくて一般には手に入らない(子会社が作っているものならある
らしい)。そこで、その友達に無理を言ってフェザー社から直接手に入れてもらい千葉に送
ることにした次第。
この話ひとつでも、爪きりひとつでここまで“こだわらせる”フェザーという会社のものすごさ
が分かるよね。そんな訳やから、今は剃刀はもちろん、手術用のメス等ではその右にでる
会社はないらしい。
でも、俺みたいな小市民はそないに長持ちするもん作ったら次が売れへんがな、と思ってし
まうけど、そこは、会社はやはり「信頼」が一番の財産であることをフェザーの皆さんは知っ
ておられる。少なくとも俺は、この爪きりを使い続けられたおかげで、何か刃物を買うときは
絶対フェザー製にしようと思うもんね。
爪きりで得た小さな信頼はとてつもなく大きな信頼、そして売り上げに結びつく。さすがフェ
ザー、「切れ者」が揃った会社なんやろねぇ。