応仁元年(1467)にはじまる応仁の乱により、中央権力としての室町幕府は衰退し、地方勢力が台頭する戦国時代が幕を開けます。近江においても守護六角氏が権力を振るうようになり、幕府に対し反抗的な態度を取るようになります。これに対し、将軍権力の回復をめざす室町幕府第九代将軍足利義尚は、長享元年(1487)、六角氏を討つため自らが近江に出陣し、鈎(栗東市上鈎)に布陣しました。しかし戦線は膠着し、義尚が延徳元年(1489)に陣中で没したため、六角氏を滅ぼすことはできませんでした。将軍親征をはねのけたことで、これ以後六角氏は戦国期の守護権力として自立していくこととなります。
この時義尚が陣を置いた場所については、史料には「真宝館」と書かれており、現在の永正寺(栗東市上鈎)付近に比定されています。また周囲には「寺内」の地名が残り、真宗寺内町との関連も指摘されています。
現地には、今も土塁や堀の痕跡が残されています。今回の講座では、文化財専門職員の案内で鈎陣所跡を訪ねます。
1.日時:平成30年2月12日(月・祝)13時45分~16時30分
- 栗東市手原赤坂会館集合
- 講義:手原赤坂会館(栗東市手原3丁目9-5)1階多目的ホール
- 現地見学:鈎陣所跡・旧東海道
3.行程
- 手原赤坂会館→旧東海道(旗本渡辺領代官猪飼邸・すずめ茶屋)→天王神社→鈎陣所跡(永正寺・寺内)→旧東海道→JR手原駅
- 全行程約4km
4.主催:滋賀県教育委員会
5.協力:栗東市教育委員会
6.講師
- 講義「鈎の陣」:藤岡英礼氏(栗東市教育委員会)
- 現地探訪:藤岡英礼氏(栗東市教育委員会)
7.定員:80名(事前申込制・先着順)
8.参加費:無料
滋賀県教育委員会事務局文化財保護課
本日の訪問ありがとうございす!!