朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

第625回田辺寄席~じっくりたっぷり・桂梅團治の段~

2013年01月02日 11時03分32秒 | 落語・講談・お笑い
12月は久し振りに「田辺寄席」へ行ってきた。
土曜の昼の「新じっくりたっぷりの会・梅團治の巻」。
あまり良い天気でもなかったが、ほぼ満員。
抽選会の投票数からすると100人以上の入り。


「開口0番~石の鳥居」(文太)

天王寺の石の鳥居についてのあれこれ。
「天王寺詣り」や「鷺とり」に掛けて色々喋っていた。
この会での文太の前説、
ベタだが新鮮な話でウケを取らなくてもいいや、と
好き勝手なことを喋っている印象。


「大安売り」(小梅):△

梅團治の息子であり弟子。
割と小さい頃から喋っていたせいか、
マクラやネタの喋り方や動きに既にクセがある。
部分部分でぴたっと決まらない印象。

相撲取りののんびりした雰囲気は良かった。


「おごろもち盗人」(梅團治):○

マクラで息子と似ている話と警察に似ていると認められた話、
賽銭泥棒が住んでいる寺の話から盗人の話へ。
きちんと客の思うところを読み、ぴたっと喋っているあたりが流石。

ネタの骨格がきっちりとしている。
「もうちょっと」「けったくその悪い」をそれぞれで受けておかみさんに問い掛ける。
また(最近時々あるのだが)「引っ張って力づくで黙らせる」のではなく、
「子分がいて母親を医者に見せられないのか」
「ここは借家」
「その時分には住んでいない」
と会話、そして「あ、すんません」の繰り返しでウケをとる。
このあたりのきっちりとした作り方は、春團治の良いところを継いでいると思う。

盗人が「えらいことになった」を受けて若い男の「えらいことになった」に
つなげる作り方も、まあ、悪くない。
「若い男が一人で喋りながら歩いている」ではなく、
しょうもない理由で金が必要なのに盗人の金を盗る、という
「二人喋り」の方が個人的には好みなのだが、
「えらいことになった」で繋げるのであれば「一人喋り」も悪くはないかな、と思う。

若干演出過多な部分と妙に仕草がいい加減な部分は散見された。
前者では、例えば勘定の合わない主人がおかみさんに「おい」といった際に
おかみさんがすぐに「あ、あれのことか」と気付いて表情を付けるところ、
後者では算盤の使い方や「勘定と帳面が合うのに銭函の金が足りない」目線に
見えないところ、縛られた時の手の位置関係など。

全体には分かりやすく作られており、
演る際の参考にはしやすいな。


「二番煎じ」(文太):○-

「地震雷火事親父」から父親として娘の話をし、
火事の話からネタへ。

ちょっと老けたご近所連中のワチャワチャは出ている。
「一の組」が回る際、回っている人が特定されているせいか、
雀三郎のに比べて人数が少ない雰囲気がする。
騒ぎ方や擬音の可笑しさが良い。
特にウケを待たずにどんどん積み重ねていき、
それぞれの無茶苦茶ぶりを描写している。

全体に宗助はんのいじり方が少しキツいかな。
自分が一人で飲み食いするためとは言え、
湯飲みを割ってしまった宗助はんに対する口調が厳しい。

飲み食いする場面は、意図的にかなりクサくやっていた。
個人的にはあまり好みではないな。

侍は最初強く見せておき、「これは良い風邪薬じゃな」で緩める。

全体に軽く運んでおり、さらっと聞ける。


「田能久」(七福):△+

メガネを掛けたまま出てくる。
時々舌で唇を舐める動きが気になる。
よく通る良い声の人だな。

ネタとしては、全体のバランスが悪いと思う。
このネタは山の中でうわばみに出会い、それぞれが恐ろしいものを言う、
うわばみは半死半生になるが親孝行の田能久は幸せになる、という話であり、
芝居の話はその上で「なぜ鬘をもっているか」程度の位置付けだと思うのだが、
宇和島に芝居に行くようになるまでの設定が長い。
また、田能久が親孝行である、というのも、
地の文だけでなく母子の会話の中でもっと表現されている必要があるだろう。

「落語」としては、全体に地の文が多過ぎる。
「お話」やね。


「鬼の面」(梅團治):○

オリンピックを巡る小咄をいくつか振る。
以前に比べて「笑顔」「愛嬌」だけでウケをとる、という感じではなく、
これも自然な話の進め方で良かった。

ネタはまあ、どうってことない話ではあるが、
おせつ、面屋のおやっさん、旦那、賭場の三下から親まで、
皆悪くない、というすっきりした話になっていた。
何となく「親が心配になって戻る」あたり、
「田能久」とネタが被っていなくもないのだが。

特に、「すぐに帰る」と言っているおせつに対する
父親の「もう少し一緒にいたいのだけど、帰さなければならない」思い、
その落としどころとしての「ご馳走を無理やり食べさせてやる」流れが
不自然なギャグではなく、
自然な親心として良かった。
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1月1日(火)のつぶやき

2013年01月02日 01時22分36秒 | つぶやき

因みに小林幸子やきゃりーぱみゅぱみゅの紅白の豪華衣装は、耐用年数省令の『興行又は演劇用具』の『衣装、かつら』に該当するため法定耐用年数は二年となります。これ、今年最後のマメな。

kkmaruさんがリツイート | 63 RT

「新設」ありきで、情報公開・科学的判断が行われていなかったのが震災で露呈した。この構造を変えるのが新設検討の前提。そして当然、国が補助金を出すのは認められないだろう。>安倍首相、原発新設に含み 「福島と全然違うもの」 - 朝日新聞デジタル t.asahi.com/98de


弱者を切り捨てれば平均値として強くなる。弱者から搾取して強者に分け与えれば強くなる。そんな「強い日本」は要らない。本当のヒーローは、戦闘に強いだけ、ではない。>時事ドットコム:「強い日本」取り戻そう=経済再生に決意-安倍首相年頭所感 jiji.com/jc/zc?k=201301…


家にいても何もせんのでファミレスへ。だだ混み(笑)


「地縁・血縁による相互扶助」が崩壊している状況に対して、「地縁・血縁による相互扶助を取り戻す」は、対策としてあり得る話ではある。ただそれが可能なのか。地縁・血縁が希薄になる理由、扶助できない理由を明らかにして対策を打たなければなるまい。権威主義的関係の復活も正しくなかろうし。


「個人化した生活」のデメリットは分かるが、社会との繋がりがあれば良い、という程単純にもなれんな。社会、特に自己目的化する国家や宗教、政治団体に溶融する危険性は無視しがたい。


自己肯定7割、自己否定3割くらいが良いバランスなのかな。あまりに強い自己否定は「もういいや」と(場合によっては生命までも)投げ出して元も子もない状態になりかねないし。


テレビに対して、「立ち止まって戻れる」新聞の意味。流れるままだと受け手が考えて印象付けることはできず、流し手の印象付け・意識操作に左右されることになる。新聞でも皆無とは言えないが、送り手に左右される度合いは比較的小さくなるだろう。


毎日新聞、小朝と一之輔対談で落語のこれから。表面上はいい方向に向いているが底の方は悪い方向に向いている、と小朝。ふむ。

kkmaruさんがリツイート | 4 RT

後で読もう。上方と比較しつつ。


礼状書き終了。5日返却期限の本をまず読み進めたし。


社会と関わりを持たない人ほど、社会改革を叫ぶ扇動的な政治家に呆気なく共鳴したりする。現実の改革はいくつもの討議と障壁を乗り越えなければ到達できないものである、という社会での経験。


「個人の善意から出発したものが制度化されるまでには幾つもの峠がある」「最終的には国の法律や制度による恒常的で安定した救済と復興が必要」。うーん、国の関与が有用とは思うが、そうでない道もあり得るのではないかなあ。市民が関心を持ち続けるのは必要と思うけど。


田母神は自衛隊が血を流して尖閣や竹島を守らねば、てなことを言うが、それは自身は血を流さず、予算や要員を増やしたい防衛官僚の言い草であり、現場の自衛官は同じことを思っているのだろうか。それを想定して志望しているとは思えんのだが。


商品作物を栽培させる植民地経営と、原発や基地は同じことをやっている。外部からの資金流入がなければ運営できない状態になり、自立した地域経済は破壊される。精神的にも依存する。力づくではなく、経済合理性を振りかざして行われるが、一度破壊されると後戻りは困難。

1 件 リツイートされました

民主主義を欠いた自由主義の問題点、自由主義を欠いた民主主義の問題点。どちらも認識が必要か。


「決められる政治」は密室で決定して強行採決することではなかろう。「決められない政治」は国民が決められないからであり、決められているのは国民不在だから、ということか。国民が決められないのは、「決められないから」と情報を提供しない側にも責任がある。


民主主義の危機とは「言葉」の危機、か。確かに罵声を浴びせるのみで己の思想で説得しようとしない者共が肩で風切る有り様は、非常に危険だわな。「話せば分かる」に対して「問答無用」と返して罵詈雑言の銃弾を浴びせる野卑なる連中。


微かな残照美し。考えたら、冬至過ぎてるから日は長くなっていくんだな。


これ、「クーリエ・ジャポン」で読んだ記事だな。>時事ドットコム:NYタイムズ記者、中国退去=温首相一族蓄財報道に反発か jiji.com/jc/zc?k=201301…


J2落ち前の「最後っ屁」ならず。リーグ戦に集中できる、といえばできるので、1年でJ1に復帰せんことを。>時事ドットコム:柏、37年ぶりの頂点=G大阪、4度目Vならず-天皇杯サッカー jiji.com/jc/zc?k=201301…


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