バスルームより愛をこめて

ふいに

鳴った

呼び出し音


出てみると

気心知れた

オンナトモダチ


ん？

エコー聞いてる？

え

お風呂で

電話してるの！？


不思議な

水音をBGMに

ポツリ

ポツリ

話す


フタリが好きな

川上弘美さんの

短編小説のコト


「まだ読んでないよ

読んでみたいなぁ」

ワタシが云った


「立ち読みはダメだよ

泣いちゃうから」

カノジョは云った


そういう訳で

今

手元にある

「金色の道」


今の

ワタシは何色？

今の

アノ娘は何色？


きっと

日々

変わっていくんだろうな


取り巻く環境も

包まれる色も


でも

それでいいんだよね

それがいいんだよね


こうして

夜更けに

ひそやかに

話す友さえ

居てくれたのなら


昔から

とんでもなく

哀しい時は

お風呂で

ワンワン

泣くという

とんでもない

共通点を

持った

ワタシタチ