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撮りたくても
あの時
カメラが無くて
撮れなかったのだけれど
いつも
いまでも
ココロに飾ってある
1枚の
青写真が
ある
快復を
切に願ったけれど
その中の
ヒトリは
もう
居ない
あの夏から
もう
倍も
生きてしまった
ワタシ
あの夏の
父の年齢に
また
ヒトツ
近づいてしまった
春先に
余命3ヶ月と
宣告されたコトも
本人は知らぬまま
父は
その夏を迎え
奇跡的に
一時的に
体調を
少しだけ
上向きにして
自宅静養を
望んだ
ほんの数日だけれど
自営の
寿司屋も
再開した
だいすきな
魚釣りにも
行きたいなぁと
笑った
小学生の頃以来だろう
ふたりの兄と
父と
記憶を
手繰り寄せ
絶好スポットへ
向かった
外道ばかりの
釣果だったけれど
みんな
大満足だった
みんなで
来れたコトが
ただただ
大満足だったんだ
鱧を
骨切りしたのは
父だったろうか
初めて食べた
其れは
涙の味が
しそうなくらい
美味しかった
もっと早く
こんな
美味しくて
オトナの味のモノを
食べて
オトナになっていたら
もっと
親孝行出来たかもしれないのに
なんて
鱧に
謎の八つ当たりを
したのを
憶えている
時間が無いのが
心底
悔しかった
今年も
無事に
誕生日を迎え
母に感謝のコトバを
そして
いまは亡き父には
想い出の場所へ
出向くコトで
それを
伝えようと
あの
海辺へと
クルマを走らせた
以前と
比べると
幾分
狭く感じられたけれど
相変わらず
穏やかで
優しい場所
だった
ここ数年は
怯えていた
ワタシも
間も無く
父のように
駆け抜けて
逝ってしまうのかと
でも
いまは
もう
下は向かない
父のように
愛を注いでくれるヒト
父のように
あたたかく見守ってくれるヒト
父のように
すぐ傍で微笑んでくれるヒト
そんなヒトたちを
遺しては
逝けない
そう
この日常が
想わせてくれるから
悪いトコロは
何処も似てやしないから
安心しろよ
って
ココロの中の
47歳のままの
父が笑っている
目を閉じると
潮風に
頬を撫でられると
あぁ
見える気がするよ
そう
伝わってくるんだよ
写真 〜 平井堅 〜
写真立てのあなたに
どんどん似ていく僕が
少し照れくさいけれど
少しうれしい
夢中で駆け出した海辺
背が届かないところで
しがみついたあの背中は
今はもう ない
あなたの背を追い拉した今も
届かないところはある
孤独な夜も
憂鬱な朝も
しがみつくものはない
キラキラ輝く明日を
水面が照らしていた
あなたの目にあの海は
どう映ってたんだろう
時々答えが欲しくなる
時々逃げたくなる
怒ってるかな
あきれてるかな
星になったあなたは
ずるいよ
くわえタバコとビールで
僕を見ては笑ってた
あなたの子で良かったと
心から思う
海のように広くて
空のように遠くて
あなたの子で良かったと
心から思う