愛情というのはたぶんこんな風に
情熱や欲望とはまったく別の場所に
そうっと存在しているものなのだと思う。
ー 江國香織(泣かない子供)ー
主張しない
キミ
の
爪
みたい
な
月
少し
淋しそう
に
笑う
キミ
の
口許
みたい
な
月
だいすきな
食べもの
を
頬張った時
に
すかさず
見せてくれる
キミ
の
下がった
目尻
みたい
な
月
頼りない
けれど
それは
たしかに
其処に在って
儚げに
見えるけれど
決して
消えるコト
は
なくて
いつか
すっかり
慣れてしまっても
世界中
探しても
代わりはなくて
光
は
強さ
よりも
深さ
なんだよ
って
微笑みかけてくれる
ような
語りかけてくれる
ような
心底
優しくて
いつも
見守ってくれている
いとしい
キミみたい
な
月