病を経て「健康」であれば人はなんでもできる
しかし「美」も必要である「健康と美」がその後の私のテーマになった
それでまず真綿が傷口を塞ぐという実証を得るために
真綿の元である「蚕」を徹底研究することにした
その頃「カネボウ化粧品」のポスターを担当していたので鐘紡の蚕糸試験所を紹介して頂き名古屋の春日井にあった試験所にカメラマンとともに泊まり込み蚕博士たちとともに蚕ざんまいの日々を過ごした
其処は広大な桑畑があり何十人もの農学博士が蚕と共に暮らしていた
国立大学の農学部では蚕の研究で博士号を取る人が多いのだという
どういう研究か
それは「着物は着るもの絹はいい」なんて問題ではなく
蚕の遺伝子操作に夢中になっているのだ
自分の立場は「着物は着るもの絹の良さを実証する」の筈なのに
博士たちの研究が面白くそちらに引きずられてしまった二日間だったので日を改めて態勢を整えてまた泊まり込み取材をさせていただいた
初回は遺伝子の組み替え
つまり本来の桑に棲息する蚕(これが蚕の先祖で桑蚕ーくわこー)を今は家の中で飼育している蚕と掛け合わせ新たな品種を作る実験
その他色を持つ蚕と別の色を持つ蚕の遺伝子を操作
だから紫とかピンク、オレンジ、黄色、緑など色とりどりの繭ができる
真っ白な蚕、黄色、シマシマ、真っ黒いやはやこうも種類があるのかとただ驚くばかり
しかも
家蚕(かさん)と呼ばれる一般の蚕は蛾になっても綺麗な羽を持っていても飛べないように遺伝子操作をしてしまった!
博士たちは蚕の雌雄が見分けられオスメスと分けてきっちり交尾をさせる術も持っていた
(オスとメスを分けられるのでオスだけの糸を作ってプラチナボーイという新種も出来た)
蚕は一頭二頭と呼ぶ
それは養蚕農家にとっては大事な「家畜」だからと教えられた
マラゴマ粒より小さい卵を「種」と呼びその種から孵化した蚕がいよいよいとをはく時は一万倍の大きさになっている
ここでは自然に孵化を待っていたが今ではブロイラーのごとく年中孵化させているところもある
蚕は糸を吐きたくなると自分が安心して眉を作れる場所をあちこち行って糸を吐きながら決めて行く
そして最後に繭の中に身を入れる時大量のおしっこと便をしてお腹をからにし繭の中に入る
この蚕の始末の良さに感嘆した
そして繭の中で蛹になり蛾になって交尾し次代に命を残す
この繰り返しを黙々とやっている
しかも種を500も800も生んで命を繋いでいてその作った繭を人は頂戴して糸を紡ぎ着物にする
蚕は黙ってひたすら人間に尽くしている
ここで思わず「無条件の愛ですね」と呟いたら涙がわっと出て来て 博士たちを慌てさせた
(この項続く)
#蚕 #博士#プラチナボーイ #春日井 #繭 #着物
#チャコちゃん先生
しかし「美」も必要である「健康と美」がその後の私のテーマになった
それでまず真綿が傷口を塞ぐという実証を得るために
真綿の元である「蚕」を徹底研究することにした
その頃「カネボウ化粧品」のポスターを担当していたので鐘紡の蚕糸試験所を紹介して頂き名古屋の春日井にあった試験所にカメラマンとともに泊まり込み蚕博士たちとともに蚕ざんまいの日々を過ごした
其処は広大な桑畑があり何十人もの農学博士が蚕と共に暮らしていた
国立大学の農学部では蚕の研究で博士号を取る人が多いのだという
どういう研究か
それは「着物は着るもの絹はいい」なんて問題ではなく
蚕の遺伝子操作に夢中になっているのだ
自分の立場は「着物は着るもの絹の良さを実証する」の筈なのに
博士たちの研究が面白くそちらに引きずられてしまった二日間だったので日を改めて態勢を整えてまた泊まり込み取材をさせていただいた
初回は遺伝子の組み替え
つまり本来の桑に棲息する蚕(これが蚕の先祖で桑蚕ーくわこー)を今は家の中で飼育している蚕と掛け合わせ新たな品種を作る実験
その他色を持つ蚕と別の色を持つ蚕の遺伝子を操作
だから紫とかピンク、オレンジ、黄色、緑など色とりどりの繭ができる
真っ白な蚕、黄色、シマシマ、真っ黒いやはやこうも種類があるのかとただ驚くばかり
しかも
家蚕(かさん)と呼ばれる一般の蚕は蛾になっても綺麗な羽を持っていても飛べないように遺伝子操作をしてしまった!
博士たちは蚕の雌雄が見分けられオスメスと分けてきっちり交尾をさせる術も持っていた
(オスとメスを分けられるのでオスだけの糸を作ってプラチナボーイという新種も出来た)
蚕は一頭二頭と呼ぶ
それは養蚕農家にとっては大事な「家畜」だからと教えられた
マラゴマ粒より小さい卵を「種」と呼びその種から孵化した蚕がいよいよいとをはく時は一万倍の大きさになっている
ここでは自然に孵化を待っていたが今ではブロイラーのごとく年中孵化させているところもある
蚕は糸を吐きたくなると自分が安心して眉を作れる場所をあちこち行って糸を吐きながら決めて行く
そして最後に繭の中に身を入れる時大量のおしっこと便をしてお腹をからにし繭の中に入る
この蚕の始末の良さに感嘆した
そして繭の中で蛹になり蛾になって交尾し次代に命を残す
この繰り返しを黙々とやっている
しかも種を500も800も生んで命を繋いでいてその作った繭を人は頂戴して糸を紡ぎ着物にする
蚕は黙ってひたすら人間に尽くしている
ここで思わず「無条件の愛ですね」と呟いたら涙がわっと出て来て 博士たちを慌てさせた
(この項続く)
#蚕 #博士#プラチナボーイ #春日井 #繭 #着物
#チャコちゃん先生