チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

明治神宮の杜が危ない

2022年06月05日 06時33分33秒 | 日記
「おはようございます」
日曜日の朝、明治神宮の神殿前で6時、友人の川邊サチコとウオーキングを始めたのが今から35年くらい前
お互いに心傷むことが在り、その思いを歩くことで鎮めて行こうとしていた
始めの3か月は、ひたすらそれぞれの思いの中にいて口も利かず、ただひたすら歩を運んでいた。一時間歩くとまた神殿前に行き「ありがとうございまいた」と言って右と左に別れる

神宮の杜は実に静かだ鬱蒼とした木々の間に鳥のさえずりが聞こえる、時々リスがするすると木から降りてくる、モグラがあちこちに穴をあけていたり、池ではオシドリがスイスイと泳いでいる
他にも小動物はいるらしいが、陽が高い間はひっそりと森の奥で眠っているようだ。広い芝生に出ると捨て猫なのか猫たちが悠然と日向ぼっこをしている

国民からの声が高まり、大正9年(1920年)に創建された明治神宮は、明治天皇陛下と昭憲皇后陛下がご祭神である

林業の学者たちが中心になり、全国から10万本の照葉樹の献木で「杜」を作った。この地はもともと皇室の御料地だったが半分が畑で他は草だけの土地だったらしい。当時の写真がミュージアムに残っているが、都電の姿もある。土地の広さは70万平方メートル。100年先を見越した杜づくりだった

「人々が静かに祈りをささげる場所」の提供という精神で造園された「杜」令和2年が100年目にあたっていた。100年の月日の中で樹木が成長し、自然淘汰で4万本弱にまで減ったが、幹の太さ枝の張りはたくましく、生体動物は3000種類に及ぶという

原生林の面影を残しながら、整理されているので居心地がいい
サチコさんと私は広い芝生に出ると大の字になって空を見上げ、いろんな思いを語り合ったものだ。一年で二人とも元気になり、今でも時どきおしゃべりしながら散歩する

この場所になんとソーラーを設置するという
また木を3分の一切り倒す計画だとも

100年前
「杉を植えよ」と命令したときの首相大隈重信の言葉を蹴って、平地には照葉樹がふさわしいと毅然とした態度で杜を作った林業の人達の心意気はつながるか?

それでも今日、楢の木の手当てを黙々としている係の人々の姿を見た


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする