いま明日までだが浜松町の東京産業貿易センターの五階で、東京手描き友禅作家の「成瀬優」さんの個展が行われい居る
生涯をかけた大展示会にチャ子ちゃん先生その会場でお話しさせていただいている
私のあとに赤坂の芸者さんたちの踊りがあり、その前にサービスとして芸者の着付けを見せていただける
芸者さんの引き着は成瀬ブルー、大体古典柄または黒紋付での着装だが、あでやかなブルーもなかなか美しい
そして思うことは、芸者さんたちから漂う優しいお色気
みのこなしはもちろん、姿態全体に柔らかさがあり、どこにも無理のない動きが美しい。無理に「しな」を作っているのではなく、自然の骨の流れがそのまま柔らかい
こういう美しさは体を鍛えていないと成り立たない
見せかけのなよっとした仕草は下品に映る、だけど鍛えた肢体の「なよなよ」は心がうきうきするような美しさだ
「垢抜けした」という表現があるが、芸者さんたちの身のこなしには、鍛えた柔らかさがあり品がある
手の動き、目線、首の動き腰の動き、足運びすべて自然の流れに沿ってる
日々の踊りの稽や、もてなしの茶道で人に対する心遣い、接待などの積み重ねがそういう佇まいを身に着けていくのだろう
終わったあと、元浜町の芸者だった女人と待ち合わせをしていたが、待ち合わせの場所にちかずいてくる彼女の姿が
「もう粋」
歩いてくる姿に見とれる
どこが違う?
周囲の様子を見極め鍛えた体をしなやかに使っている
心配りが全く違うし、いつも笑みを浮かべている(それは職業柄身に付いたものだと)
芸者さんたちは、アスリートと同じような訓練をしている。ただそれが勝負で点数が出ないので一般の人にはわかりにくいし、お座敷文化が廃れていく日本では、このような美しい所作に接する機会も少ない
成瀬さんはいい個展をしているとつくづく思う
ぜひいらしてくださいな
ということで
今年の暮れはお座敷遊びをみんなで行うことにした