はりぶろぐ

鍼灸師のブログです。東京都国分寺市にて孔和堂鍼灸院を開業しています。
http://kouwado.com

より良い治療をするために

2017-08-14 22:42:20 | 鍼灸
国分寺北口は現在再開発が進んでおり、新しい飲食店ができたり、日々変化しています。
鍼灸院も少しずつ増えてきました。

鍼灸院ごとに様々な特色がありますが、当院の特徴は、患者さんと一対一で接することです。
治療室内のベッドは1台のみ、隣を意識することなく症状や悩みなどを話せる環境づくりを大切にしています。
自分が患者だったらこういう環境で治療を受けたいと思いますし、一人一人の患者さんと丁寧に接することで集中して治療が行いやすいので、このスタイルにしています。
より多くの患者さんを治療するためには不向きかもしれません。時間の空いた時、すぐに治療を受けたい方にはご不便をおかけしていますが、治療の質を維持するためにも、今後もこのスタイルを貫いていこうと思っています。


鍼灸治療は一度だけの治療ですっかり良くなるということもありますが、多くの場合は継続して治療を受けて頂くことで本来の効果が体感できます。
私の場合は、患者さんにはどのくらいの治療回数が必要か、治療を受けるペースも含めてお伝えします。
治療に関して疑問があれば随時説明をしたり、少しでも治療効果を高めるために生活習慣をより良くするアドバイスもします。

先日、ある患者さんが少し不安に感じていることがある、と打ち明けてくれました。
一年ほど前に同じような症状になった際の私の治療とそれに対する説明が今回は違っており、自分は以前より悪くなっているのだろうかと思った、とのこと。
一年前に比べると体質も改善されて安定していることが多くなり、治療に使うツボや反応が変わったことを改めて丁寧にお話ししたところ、納得してくださいました。

このケースでは、患者さんが伝えてくれたので対応できました。
私の説明で気になることがあったり違和感を覚えていたりする場合は、なるべく直接伝えてもらえるような雰囲気を作ることも意識していますが、患者さんによっては言えずに悩んでいるかもしれません。また、こちらが伝えたかったことがうまく伝わらないこともあります。
ただ、せっかくご縁のできた患者さんとは信頼関係を築きたいと思っています。信頼感が生まれると、治療効果にも良い影響があるからです。

より良い治療をするために、治療技術を磨くことはもちろん、より分かりやすく説明ができるように、そして患者さんが質問しやすくなるように、もっと様々なことに気配りできるようにしていきたいと思います。
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打撲にもお灸

2017-03-02 22:36:37 | 鍼灸
先日、開店前の掃除中に右足の親指に物を落としてしまいました
しばらく動けないほどの痛みは久しぶり。
もうすぐ患者さんが来るけれど、このまま放っておくと間違いなく痛みが長引くと思ったので、至急お灸をすえることに。

打撲した付近(今回は右足の親指の爪周辺)に直接もぐさでお灸します。通常患者さんにお灸をする時は、急に熱くならないようにもぐさの燃え方を調整することが多いですが、今回は熱さは承知の上、完全にそのまま燃やし切る方法で行いました。

その後はいつも通り仕事をして、夜に再度足の親指を見てみました。皮膚が変色していてもおかしくなかったのですが、普段通りの皮膚の色。打撲した辺りを押してもほとんど痛みはありません。
やっぱり応急処置でお灸をしておいて正解でした。

本格的にもぐさですえるお灸でなくても、薬局などでも販売されている台座のついたお灸でも十分効果があります。
打撲にもお灸はおすすめです。
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身体と気力の回復

2016-07-29 23:24:41 | 鍼灸
1年ほど前から来られている男性の患者さん。
来院当初はお顔の表情も辛そうで、身体には治療すべきサインがあちこちにはっきりと現れていました。何かをやろうという気力も起こらない、といった感じでした。

治療開始からしばらくは鍼の効果が長続きしたり短かったり、体調が良い時もあれば悪い時もあるという状態でした。治療を続けていくことで徐々に体調が回復してきたようで、次第に笑顔がよく見られるようになりました。
1年で一番苦手な季節は梅雨時とおっしゃっていて、ここ2ヶ月ほどは体調の波が大きくなっていました。でも、以前に比べると悪くなりすぎることはなく、回復が早くなっているようです。

この患者さんの場合は、こちらから提案したことをすぐに実践してくれたのが順調な回復につながったのではないかと思います。
まずは適切なペースで治療を受け続けてくれたこと。次に、体質や症状に合っていない食べ物を避けてくれたこと。そして、ご自宅でもほぼ毎日お灸を続けてくれたこと。

つい最近来院された時に、「体調を崩す前は料理をよく作っていたけれど、ここ数年はその気も起らなかった。でも、もう何となくできるような気がする。料理するのって楽しいですよね。」とにこやかに話されました。
身体が回復することで、楽しいと感じられることが再び出来るようになる。とても大切なことだと思いました。






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子どもの治療

2016-07-03 22:59:20 | 鍼灸
鍼灸治療は子どもにも効果があります。

「子どもに鍼を刺すんですか?」と驚かれる方も多いのですが、ご心配なく!
0~8歳頃までのお子さんには、刺さらない形状の鍼を使用します。
8歳を過ぎると、細めの鍼を刺す場合もありますが、刺さない鍼からの切り替えのタイミングは慎重に見極めています。大人以上に個人差が大きいからです。

私が見極めのポイントととして大事にしているのは、そのお子さんの皮膚の柔らかさ。
10歳を過ぎても乳児のように繊細な皮膚のお子さんもいますし、3歳でもしっかりした皮膚のお子さんもいます。
繊細な皮膚には優しい施術を心がけていますが、しっかりした皮膚にはある程度の刺激を与えるようにしないと、なかなか効果が現れません。

また、子どもは大人以上に素直です。その子にとってちょうど良い刺激の時は機嫌良く触らせてくれて、「気持ちいい」とはっきり言ってくれることもあります。
けれど、体調が悪い時などは触れられることを全力で拒否することもあります。そういう時は無理に施術せずに、ちょっとした隙を見計らって治療をするようにしていくと、施術の効果とともに機嫌が良くなっていきます。すると、身体に触れても嫌がることはなくなっていきます。
大人のように説明すれば納得してくれる、ということはないので、いかに心地よく触れることができるかが勝負どころ。
最初は大泣きしていても、帰るころには上機嫌になり満面の笑顔を見せてくれると、何ともいえずうれしいものです。

現在当院に来院されているお子さんは、各種アレルギー・ぜんそく・夜泣き・食欲不振・アトピー・便秘などなど。
すぐに効果が現れるか、効果が表れるのを気長に待ってもらうか、治療してみないと分からないところはあります。しかし、何かあったらすぐ薬というのではなく、ちょっと鍼に連れて行ってみようかな、と選択肢の一つになれたらいいなと、お子さんの治療をするたびに思います。
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師匠の講義を聴いて

2016-05-02 00:06:18 | 鍼灸
先日、母校の東洋鍼灸専門学校の同窓会記念講演が開催されました。
今年は私の師匠、齋藤鳳観先生による「鍼灸医術の深遠なる魅力」と題された講演会でした。

患者さん自身の痛みを有無にかかわらず、施術者側が触って痛みを感じるポイントを圧痛点といいます。
鍼治療によってその痛みを取り去るには、圧痛点そのものに鍼をする直接的なアプローチと、圧痛点に関係する遠隔にあるツボに鍼をする間接的なアプローチがあります。
今回、師匠が講義してくださったのは、後者の方法です。

実際に来院した患者さんの症例を元にした講義と実技をされました。

講義では、鍼灸治療で対処することを躊躇してしまうような症例にも向き合い、症状を改善させていく課程が発表されました。
セオリー通りの施術では圧痛部位を主体に施術するのですが、師匠は遠隔のアプローチを中心に施術していきます。
しかも、施術回数が数回で症状が治まっていくことが多いのは相変わらず。お見事としかいいようがないです。

講義の後は実技。
会場には数人のモデル患者の方々がいて、それぞれの症状の圧痛点を確認し、その場所から離れたツボを用いて圧痛を減少させて、症状を改善させます。
痛みがどのくらい変化しているかを患者さんに確認しながら治療をすすめるスタイルは、私も臨床で取り入れています。
久しぶりに見る師匠の施術。佇まいが美しいのは変わらず、施術の切れ味は更に進化しているように感じました。
大勢のギャラリーが見ているなかでも、どんどん効果を出していけるということは、いつでも平常心を保ち、目の前の患者さんに集中しているからこそ。

やっぱり師匠はすごいな、そして鍼灸はすごいな、とつくづく感じました。
「鍼灸医術の深淵なる魅力」という言葉のとおりです。私ももっとその魅力を生かせる治療をしていきたいです。
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東洋医学的な鍼灸

2016-04-10 17:10:11 | 鍼灸
西洋医学と東洋医学は、病気に対する考え方が異なります。
西洋医学が病気のより細かい所を診て治療方針を立てるのに対して、東洋医学は病気そのものではなく、患者さんの全体を診て、その人の体質や置かれている環境なども踏まえて治療方針を立てます。

鍼灸治療は東洋医学に属します。アーユルヴェーダなども東洋医学です。
鍼灸治療は「陰陽説」と「五行説」という2つの考え方に基づき、四診と呼ばれる診察法で身体の状態を判断し、適切なツボを選んで鍼や灸を用いて治療します。

ただ、すべての鍼灸治療を東洋医学に基づいて行う訳ではなく、西洋医学的な見立てで治療を行うこともあります。
その場合は、体質やツボなどを意識するのではなく、解剖学的に筋肉のどの部分に症状が起きているかに注目することもあります。
スポーツ鍼灸といわれるものの多くは、西洋医学的なアプローチによって症状を改善しています。

鍼灸治療のアプローチ方法を大きく分けると、西洋医学的な鍼灸、東洋医学的な鍼灸、それらをミックスした鍼灸があります。

当院は東洋医学的な鍼灸治療を行っています。
時折、他の鍼灸院に通ったことのある方から、「脈・舌・腹は診ませんし、ツボの存在も信じていません」と鍼灸師が話していた、というような話を聞きます。
東洋医学に基づいた鍼灸治療を行う側としては、何とも寂しい話です。
確かに東洋医学の体系は曖昧模糊としており、一見すると矛盾している内容も多いことはあります。
でも、その中から自分に合ったものを選んで勉強するという楽しさがあると思います。学んだことを臨床に生かせる醍醐味も存分にあります。

それぞれがお互いの良いところを認め合って、鍼灸治療をもっと多くの人に親しんでもらえるようになればいいなと思います。

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花粉症と鍼灸

2016-03-18 23:15:54 | 鍼灸
毎年この時期は花粉症の患者さんが増えます。
花粉症は集中力を妨げるので、何とかしようと努力している方が多いのではないでしょうか。

私も小さい頃から発症しているので、その辛さやもどかしさはよく分かります。
昨年花粉症対策を失敗したので、今回は後手後手にはなりながらも、何とか調整ができています。


今年は目よりも鼻の症状が辛い方が多いように感じます。花粉による刺激で副鼻腔炎が悪化している方もちらほら。普段は顔へ鍼を刺すのは内出血のリスクを考えて極力避けていますが、副鼻腔炎が悪化している方や、花粉症で目のかゆみが強い方には行うこともあります。その場合、ツボ周辺のむくみや圧痛が顕著で、ここです!とツボが主張しているみたいです。鍼を刺すと圧痛が消えて、しばらくするとさっぱりしたお顔になられます。

当院の患者さんで花粉症になっている方はたくさんいますが、それを主訴として治療に来られる方は少数です。花粉症の治療をしていなくても鍼灸治療を受け続けることによって鼻や目の症状が軽減、あるいはほとんど出なくなる方もいます。
中でも、免疫力を上げる治療をメインに行っている方や、治療のツボが花粉症のツボと似ている方に症状の軽減が見られている印象です。


花粉症には顔への鍼も効果的ですが、場所が場所だけに注意が必要です。
ここ1年ほど通ってきている中学1年の患者さんにも花粉症の治療をしているのですが、なかなか効果が持続しません。そこで、目の周りなどに鍼をしたところ、かなり症状が軽くなったとのこと。また、もう少し症状を和らげようと、大人への治療と同等の刺激に変えてみたところ、症状が劇的に改善して持続するようになりました。治療する際はツボの位置も大事ですが、刺激量の調整も重要なのだとあらためて思いました。

花粉症や副鼻腔炎の治療には、顔のツボも効果的です。試してみたい方はぜひお声掛けくださいね。
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クローズアップ現代を観て

2016-02-18 08:15:44 | 鍼灸
2月10日放送のクローズアップ現代、「”肩凝り解消”で思わぬ被害!? ~癒しブームの陰で何が~」を観ました。

凝りや疲れを解消するために施術を受けた結果、身体に深刻なダメージを受けたケースが、ここ5年間で1000件以上報告されているそうです。
番組の冒頭で被害を受けた方の映像や写真を見ましたが、あまりに深刻な症状で愕然としました。
強い圧力で押されたために、広範囲に渡り全治1か月のあざができた女性。頸部に施術を受けた刺激で脊髄を損傷し、歩行や食事など日常生活に大きな影響が出てしまった男性。この男性は仕事も辞めざるをえなくなったとのこと。

こうした被害が増え続けている原因として番組内では、
・医学を知らない人が施術をしてしまっている。
・医学を学んでいても知識だけで、いざ臨床の場で正しい見極めが出来なかったり、技術が未熟だったりする。
ということが考えられるとされていました。

また、国家資格取得者の施術所では効能表示(どこに効く、なにに良いなどの表示)をしてはいけないが、国家資格を持っていなくても開設できる施術所では「肩こりに効く」などの表示ができることも、被害を起こしている原因の一つになっているのでは、ということでした。
これに関しては、国家資格取得者の施術所でも効能を表示可能にすることで変わる可能性もあるかと思いますが、国家資格を持つことで医療従事者となり、その行為の責任の大きさを考えると難しいとも思います。

国家資格を持っていても医学を正しく深く理解していなくて、技術が無資格者に劣っている国家資格保有者がいるのも現実です。特に規制緩和で新設校が増えてからは、医学を学びながら充分な施術技術を磨くための場がないことにも技術低下の要因と思われます。
たまたま私はしっかりと実技を学べる学校を選べたのですが、実技を充分に学べずに苦労している人の話を聞いたことがあります。
人の身体に触れるからには、国家資格取得者として一人一人の状態に臨機応変に対応できるよう、さらに研鑽を積みたいと思いました。

この業界にいると、鍼灸や整骨院・リラクゼーションなどの資格や技能の違いについて知っていますが、患者さんにとっては初めて知るということも多いと思います。施術所の種類ごとの国家資格の有無・保険取り扱いの違いなどが少しでも分かりやすくなればいいと思います。
これから何らかの施術を受けようとしている方は、その施術所のHPを読んだりして特徴を知った上で、ちょっとした疑問や不安がある場合は遠慮なく質問してみるのが確実だと思います。施術する側と施術を受ける側が信頼関係を持てることが、何よりですから。
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痛みの治療2

2015-12-05 08:32:30 | 鍼灸
痛みに対する治療をしていくと、改善に向かう過程で、最初に感じていた部分と異なる場所に痛みを感じることがあります。
一番痛みのある部分が変化していくことで、二番手に控えていたところに痛みを感じるようになることがあります。
例えば、腰が痛くて治療を始めた方が、腰の痛みが軽くなってきたけれど次には膝に痛みを感じるようになり、それも良くなってくると何となく胃が重いような気がしてくる、といった感じです。


これから寒くなるにつれ、冷えて関節がこわばったり、筋肉が緊張しやすくなります。
普段は自覚しなかった痛みが出てきたり、古傷が再び痛んだりするかもしれません。
東洋医学では、痛みは気や血のめぐりが滞ることで発生すると考えます。
気や血のめぐりの滞りを解消し、流れをを良くするのは鍼灸の得意分野。痛みにお困りの方にはもちろん、痛くなる前のメンテナンスの一つにもオススメです。
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痛みの治療

2015-12-04 09:00:57 | 鍼灸
私は、治療中に患者さんに痛みの出る動作を何度か行っていただき、痛みが減少するように調整する方法をとっています。
治療する側と受ける側、互いに現状を把握しながら治療を進められますし、患者さん自身が痛みの変化を感じやすくなるからです。

しかし、患者さんによっては痛みの出る動作をすることに強い不安を示す方もいます。
痛みの記憶は強い印象を残すため、身体が改善傾向に向かっていても、脳は痛みを予測して身構えます。
特に、痛みが強かったり毎日のように痛みを感じていたりすると痛みに対する不安が高まり、ちょっとした動作も躊躇してしまいます。

そういう時、その方が普段の生活でどれほどの痛みに耐えてきたのかを改めて感じます。
患者さんがあまりにきつそうな場合は確認の動作は中止しますが、治療によって症状が改善されていると思われるときには少し頑張って動いてもらうようにお願いしています。
動いてみて痛みが減っていると身体も脳も動いて大丈夫だと自覚するようになり、症状がより速やかに緩和されていきます。

ぎっくり腰で痛みの強いときは動くことに躊躇しますが、確認の動作を行う度に痛みが緩和されていくのを感じていただけることが多いです。
経験上、ぎっくり腰など急性の痛みは1~3回の治療で良くなるように思います。
慢性の痛みは数回で良くなるとは言い切れませんが、薄皮を剥ぐように、少しずつ痛みが緩和されていきます。


患者さんの痛みを同じように感じることはできなくても、痛みによって生じる不安感や恐怖感にはできる限り寄り添えるよう心掛けるようにしていきたいと思います。

痛くなることが怖くて動作確認することに躊躇していた方が、勇気を出して動き、結果そんなに痛みがないことに気付いた瞬間、強張っていた表情が緩んで自然と笑顔になることがあります。
この仕事をしていて良かったと感じることの一つです。





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歩き疲れにもお灸

2015-11-12 09:34:40 | 鍼灸
先日は芸術の秋を堪能して大満足でしたが、歩き回った代償は、足と腰の疲労
久しぶりに足はパンパン、腰は重だるくなりました。

都心に出かけることは滅多にないので、もうひと頑張りして銀座のせんねん灸ショールームへも行きました。

せんねん灸はお灸をしたことのない方でも知っているようで、患者さんにお灸の説明をする時にせんねん灸の名前を出すとご存知の方が多いです。
ショールームでは、昔ながらのもぐさ各種、家庭でも扱いやすい台座灸、火を使わないタイプのお灸、といった様々な商品があり、手にとって見られるのがいいなと思いました。


サンプルを頂いたので、帰宅後、足三里に早速すえてみることに。
足三里というツボは、健胃・健脚のツボとして知られています。松尾芭蕉が奥の細道を旅する間、このツボにお灸をすえていたそうです。
胃腸の調子を調えて、足の疲れをとる効果があります。

数種類あるサンプルの中から、まだ試したことのない「みそきゅう湖国」を選びました。
温度設定がやや高めの商品なので、熱の刺激はかなりありました。
両足一つずつすえただけですが、足が随分すっきりと軽くなり、台座灸もなかなかいいものだな、と思いました。

夫も同じく足三里にせんねん灸をしたのですが、ツボの位置をしっかり押さえればかなり効果があるね、と言っていました。
ツボは体調によって位置が少しずつ変わるので、ツボを探すのに慣れていないと、その変化を捉えるのが難しいかもしれません。
目安としては、他に比べて凹んでいたり冷えていたりする場所になります。頭で考えるとより難しく感じるかもしれませんが、丁寧に触って確認していくうちに自然に指先で分かるようになると思います。

私は鍼灸治療の際にもぐさを使用するので台座灸はあまり縁がありませんが、患者さんが自宅でお灸する場合には台座灸をすすめています。
本当はもぐさの方が効果が高いのですが、ちょっとしたコツを掴むための練習が必要になりますし、失敗した時に火傷になるリスクも高いので、なかなか気軽にはすすめられません。
まずは手軽に続けられるのが一番、その点台座灸はベストな選択かと思います。

辛い症状がある時にセルフケアできると便利ですし、養生としてもお灸を日常生活に取り入れる方が増えると嬉しいですね

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もぐさの自由研究

2015-10-07 08:08:28 | 鍼灸
鍼灸院に通う患者さんのイメージとして、一般的には、年配の方が多い印象があるかもしれませんが、実際は様々な年代の方の方が来られています。
当院の場合は男女比でいうと7:3で女性の方が多く、年代別では30代後半~60代の方が多いです。

毎週熱心に通って来てくれている患者さんの1人に、小学2年生の男の子がいます。いつもニコニコいい笑顔で、元気に挨拶をしてくれます。

体を丈夫にするために治療を受けてくれているのですが、治療を始めてから胃腸の調子が良くなり沢山食べれるようになりました。見る間に体つきがしっかりしてきて、ここ最近では筋肉もしっかりついてきています。
治療を受けるうちにお灸に興味を持ってくれたようで、お灸は手作りできると話したところ、ぜひやってみたいとのこと。
(私たちも鍼灸学生時代に手作りしました。)
夏休みの自由研究のテーマに、なんと、もぐさ作りを選びました!

その話を聞いて、7年前に夫の両親が奥多摩でよもぎを採り、乾燥させた状態で保存してくれていたのを思い出し、自由研究に使ってもらいたくてプレゼントしました。
彼は今年のよもぎを採り、数日間乾燥させたものを用意しました。
それぞれ、すり鉢ですりつぶす方法とミルサーで繊維を断ち切る方法の2種類を試すことに。

タイトルは『よもぎからおきゅうを作る研究』。
以下、実物の写真をご覧ください。



目的が明確ですね。


よく観察しています。


写真もあるので手順がより分かりやすいですね。


来院した時に、手作りもぐさを使って生姜灸を体験。思った以上に熱かったとのこと。


私自身が生姜灸をしながら感じたのは、すり鉢を使って作って作ったもぐさはミルサーで作ったもぐさに比べてふわふわでまとまりやすく、また、古いよもぎで作ったもぐさは、実際お灸する時にも火がつきやすく煙も少なめで使いやすいということ。日々親しんでいるもぐさに改めて新鮮な気持ちで触れる機会を作ってくれて、感謝です。


もぐさという決してメジャーではないテーマで、もぐさ作り、そして手作りもぐさを自分で体感する、ということを最後までやり遂げたのが、本当に素晴らしいと思いました。


来年以降、どんな自由研究のテーマを選ぶのかも楽しみ。きっとどんなテーマでも一所懸命にやり遂げることでしょう
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弟子仲間の症例報告

2015-10-02 23:33:56 | 鍼灸
先日、弟子仲間の症例報告を聞く機会がありました。
臨床経験豊富な先生方の症例報告はもちろん素晴らしいのですが、鍼灸師としての経験が同じくらいの方の症例報告は、より身近で良い刺激になります。

鍼灸師は治療をして患者さんを治すことが最も大切ですが、その治療結果を自分の中にだけ留めるのではなく、他の鍼灸師にも分かりやすくまとめて発表するというのはなかなか大変なものです。

今回は「不整脈」と「肩関節周囲炎」に対する鍼灸治療の報告でした。
2人ともこのような機会が初めてと思えないほど、堂々と発表されていました。

ほぼ同じ時期に師匠の元で学んでいるけれど、みんなそれぞれに着目して吸収するポイントがあると思います。
2人の話を聞いていると、日々学んだことを生かしながら目の前にいる患者さんに対してより良い治療を行う努力を重ねている様子が伝わってきて、私ももっと頑張ろうと思いました。

臨床は生き物です。相手がいることですし、思うようにいかないこともしばしばあります。
その都度その都度試行錯誤し、常に次の一手を考えながら治療していると思ってもみなかった発見があることも。つい最近の治療中にも新しいやり方を見つけて、より効果がでるように工夫しているところです。
東洋医学は本当に奥深く、面白いと感じる瞬間です。

それを分かりやすく伝えたりするのが不得手な私ですが、今回の症例報告を聞いたことを機に、もっと客観的に自分の治療を整理して、記録しておかなければと思いました。
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親子でお灸

2015-09-23 23:24:23 | 鍼灸
大型連休の時に、遠方から患者さんが来てくださることがあります。
患者さんのお母様であることが多く、貴重な滞在の時間を割いて来て頂けるのはありがたいことです。

それぞれの地域の話が伺えるのは楽しくて、方言も様々です。
西日本エリアの患者さんの場合は、お話ししているうちに私もなまってしまうことがよくあります

会話の中で感じるのは、幾つになっても子供を心配する母親の思いは変わることがないのだということ。
普段なかなか会えない分、その心配はより募るのかもしれません。

そして、お帰りの際には必ず、「これからも娘(息子)の事をよろしくお願いします」とおっしゃいます。
この言葉を聞くと、いつもあたたかい気持ちになります。


このような方は、来院が一度きりの場合もありますし、年に何度か上京のついでにいらしてくださる方もいます。
症状によっては、お住いの地域で鍼灸治療をおすすめしたり、もしくは自宅でできる養生のアドバイスをすることもあります。
特にお灸は様々な症状に対応できるので、治療後に時間のある場合は台座灸の使い方を説明しながら、実際に火をつけてやってもらうようにしています。
台座灸は簡単に行えるのですが、火を扱うことになるので、慌てずに作業すること・手元には万が一のために水を用意することも大切なポイントとして伝えています。

年齢が重なるにつれて身体は冷えやすくなり、関節に痛みが出やすくなります。そのような場合は、どのツボにお灸をすえるか迷う方もいますが、痛みの出ているところに直接お灸するのも効果的です。

自分でお灸をすえにくいところには身近な人にすえてもらうのもいいですね。
時々は親子でお灸をすえあうのもいいと思います
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弟、来院 その後

2015-09-15 23:11:45 | 鍼灸
弟が頚椎ヘルニアになり、7月末から治療を始めて、先日8回目の治療が終わりました。
弟の症状と3回目までの治療についてはこちらをご覧ください。

4回目・・・引き続き腕のだるさが気になるとのこと。楽器の演奏は30分ほど問題なくできるそう。治療後はだるさは軽減、首の違和感を感じるようになったため、そちらも治療して改善。

5回目・・・前回ほどではないが腕のだるさと肩甲骨周辺の硬さを感じるとのこと。医師から処方された鎮痛薬の副作用として眠気が強くなることがあるそうで、ここ最近は寝てばかりいるのも症状に影響ありと考えられる。散歩など軽い運動をすすめる。治療後はだるさも硬さも改善。

6回目・・・だるさは減り、以前よりは軽いが再び肩甲骨周辺の痛みが気になるとのこと。楽器の演奏は1~2時間可能に。客観的には筋肉の緊張が緩み、首の後ろが腫れたようになっていたのも減少していることから、生活習慣に原因があるかもと聞いてみると、最近枕の高さが合わない感じがするそう。
元々ストレートネックで医師から高めの枕を薦められていた。治療で首や肩を中心とした骨格のバランスが整い、高さが合わなくなった可能性があることが考えられ、しばらく少し低めにして寝ることをすすめる。治療後は痛みは減少、可動域も大きくなる。

7回目・・・だるさ、痛みはあるが当初に比べると日常生活には支障ないが、長時間の立ち仕事に耐えられるか不安とのこと。枕は低めにしてから寝起きの痛みが減少したそう。治療後は明らかに軽さを感じるようになった。試しに、長時間立つことを続けてみて症状がどうなるか様子を見ることをすすめる。ここまで週に1回のペースで続けてきた治療を10日後にして様子を見ることにする。

8回目・・・随分顔色が良くなった感じ。声にも力が出て、姿勢もまずまず改善。前回の治療後、久しぶりに楽器店をハシゴして数時間立ちっぱなしだったが、特に痛みが強くなることはなかったとのこと。腕のだるさはなくなり、首と肩は普通のコリを感じるように。楽器の演奏を3時間続けたらさすがに辛くなったそう。治療後は多少コリ感が残るものの、特に問題なし。仕事復帰の日も決まり、次回の治療は12日後、仕事が終わった後に来てもらうことに。


仕事復帰後、しばらくは症状に波が出る可能性が高いので、あと一か月は2週間空けない間隔で来てもらう予定です。


ちなみに母が心配して弟に電話した時に、医師から「症状が治っていくのが早い」と言われた、と話していたらしいです。
症状改善にはもっと時間がかかると予想していましたが、思った以上に速いペースで改善がみられて良かった!
何より、鍼灸に対する恐怖感も持っていた弟が信頼して治療を受け続けてくれたこと、治療による効果も期待していなかったらしいけれど、薬よりも効くと思ってもらえたことが嬉しかったです
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