今年から、弟子仲間と一緒に症例検討会を始めました。
鍼灸は流派が様々あり、学会や勉強会もたくさんあります。経験豊富な先輩鍼灸師から学ぶ形の勉強会が多いのですが、経験年数が同じくらいの鍼灸師同士が集まって勉強することもあります。
東洋医学は「陰陽」と「五行」という2つの概念を組み合わせています。この概念は紀元前後2,3世紀頃に体系化され始め、先代たちの経験に基づいて築き上げられたものです。そのため、治療方法を経験豊富な先輩から学ぶことはとても重要です。
私もようやく鍼灸師として丸10年。まだ経験不足は否めませんが、師匠から学んだことへの感謝の思いを込めて、更に学びと実践を深めていくためにも、共に師匠の元で学んだ弟子の集まりを企画するに至りました。
第1回目は6月に開催。まずはお試しということで、それぞれが日々の臨床で悩んでいる症例を持ち寄り、お互いの考えを述べ合いました。とても有意義な時間を過ごせて大満足でしたが、途中師匠への想いを語りすぎるところもあり、より勉強会らしくなるよう工夫し、今回2回目を開催しました。
どの症例も他人事と思えなくて、みんな同じような悩みを感じるものなのだと改めて実感。それぞれの症例に対し、各自で意見を出し合いました。自分1人では思いつかなかった考え方もあり、これからの臨床に役立てられる気付きがたくさんありました。
治療院で患者さんと一対一で向き合い続けていると、知らないうちに独りよがりになって、そのこと自体に気付けないまま視野が狭くなる危険性があります。このような機会を持つことで、患者さんにもより良い治療を受けていただけるようになれたらと思います。
この会の当日、12月8日は針供養の日とされています。2月8日にも行われたり、両日行うところもあるようです。今回、せっかくみんなが集まった機会なので、ささやかながらお豆腐に鍼を刺して感謝の気持ちを込めてお祈りしました。