「できれば病院に行きたくない」 「薬はあまり飲みたくない」
患者さんからよく聞く言葉です。
東洋医学に興味を持って来院されている方々なので、当然と言えば当然かもしれません。
しかし、健康診断で要検査と診断されたり、鍼灸治療を受けても検査数値の改善が見られない場合は、速やかに医療機関を受診して下さい。
先日70代の患者さんを治療する際に脈を診たところ、脈拍が早く不規則になっていました。1年以上治療していて初めての脈の状態だったことと、ご本人の自覚症状として動悸息切れもあったため、できる限り早い受診を勧めました。
後日その患者さんが来院されたので経過を伺ったところ、かかりつけ医から紹介された病院で精密検査を受け、心臓の一部に肥大はあるものの現時点では手術の必要がない状況でした。ただ、服薬治療は必要とのことで、内服しながら経過観察することになったそうです。
東洋医学は病名の如何・軽重を問わず対処できる医学ですが、現代医学のように病気を明確に発見したり進行の程度を見極めたりすることができません。
40代以降の患者さんの中では、検査数値に異常が見られる方は多いです。医療機関を受診するよう指示を受けている場合は、「症状がないから後でいいや」「そのうち何とかなるだろう」と思わずにきちんと受診して下さい。特に、糖尿病や脂質異常症等の生活習慣病は命に関わる病気に繋がる可能性が高いため、早めの受診が肝心です。
西洋医学の治療とともに、東洋医学を健康管理の一つとして取り入れて頂けたらと思います。