１日１０杯 差なし
緑茶をたくさん飲んでも、乳がんになる危険度は変わらないとする疫学調査結果を国立がん研究センタ－が２８日、発表した。１日１０杯でも差はなく、同センタ－予防研究部の岩崎基室長は「緑茶の摂取で乳がんの予防効果は期待できない」としている。同センタ－によると、緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノ－ルには抗酸化作用があり、動物実験などでは乳がんを予防する可能性が示されているが、人間を対象とした疫学研究では結果はさまざまという。１９９０年と９３年から、岩手など９府県の４０～６９歳の女性計約５万４千人を平均１４年追跡調査した。期間中に５８１人が乳がんを発症した。緑茶を飲む頻度が週に１杯未満から、１日５杯以上まで、飲む頻度を６段階に分けて比べたが、はっきりとした関連はみられなかった。このうち約４万４千人について、緑茶をよく飲むグル－プを細分化して分析した。（追跡期間は約１０年）。１日７～９杯、１０杯以上など頻繁に飲む人での危険度の違いも調べたが関連はなかった。煎茶と番茶・玄米茶との違いも危険度には影響しなかった。
