体内撮影で迅速診断 北大など がん発見に効果も
38度以上の発熱が2週間以上続き原因が分からない「不明熱」の患者を陽電子放射断層撮影(PET)で検査すると、体内のがんや炎症の場所を画像で把握でき、原因究明につながりやすいとの研究結果を国立国際医療研究センタ-、北大、東北大などがまとめた。同センタ-放射腺核医学科の窪田和雄医長によると、不明熱は日本で毎年5万人が発症。原因となるのは、がんや感染症、膠原病などの病気。正しく診断されるまでに複数の診療科でさまざまな検査を受ける患者も多かったが、PETの利用で、正確で迅速な診断が期待できるという。 PET検査はがんや炎症など代謝の盛んな部分に集まる放射性物質を付けた薬剤を体内に入れて撮影。体を透視したような画像の中で、薬剤が集まった場所は濃い色が付き病巣がどこにあるか分かる。窪田さんらは2006~07年、不明熱の患者76人をPETで検査。画像から特定の部分にがんなどの病巣がある患者の81%を発見できた。