゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

どうぶつ雑記帳「ヒグマ」

2008-07-07 15:00:00 | 日記・エッセイ・コラム

めんこい姿の裏に怖さ=絵と文・あべ弘士

なめとこ山の熊 (ミキハウスの絵本) なめとこ山の熊 (ミキハウスの絵本)
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2007-10

このところ、“クマ”づいている。たて続けにクマの絵本を3冊出したの                          で、1年間ずうっと、クマ、くま、熊の日々だった。昨年秋に宮沢賢治                           の「なめとこ山の熊」を描いた。これは東北・岩手が舞台なので、ニホ                           ンツキノワグマが主人公だ。                                                   2冊目は今江祥智さん作の「熊ちゃん」。まっ白いクマのぬいぐるみと                          少女の話。そのぬいぐるみが大きな本物のシロクマに変身し森へ消                           えていく最後の場面が涙を誘う、と描いた本人(私)がいっている。                            3冊目はできたばかりで、旭川の工藤有為子さんが、トルストイの有                           名な童話をアイヌ語をからめて再構築した「3びきのクマ」。ロシアなの                          で、出てくるのはヒグマ。この童話はいろいろな人が作品化しているが、                        工藤さんは大胆かつ斬新な解釈と脚色をした。「月の精」の女の子が                          野生のヒグマをからかい遊ぶのだ。私も絵を描いていくにつれ、わくわ                          くどきどき、とても楽しい時間だった。多くの絵本に登場するクマは、ぬ                          いぐるみのようなめんこい動物になっている。でも身近にヒグマと接して                         いる北海道の人間としては、ヒグマへの畏怖や恐ろしさを描かずには                           いられない。ヒグのマは怖い。だまされちゃいけない。つぶらな瞳ところ                          っとした体形の裏には、どうもうな野生が隠れている。旭川郊外の山に                         動物園獣医のコスゲとタケノコ採りに行ったときだ。ササやぶに入り夢                          中になって採っていると、すぐ近くでガサガサと音がした。「お-い、コス                         ゲ」と呼ぶと、はるか遠くで「なんだあ」と声がするではないか。じゃあ、                         すぐそこのガサガサはだれだ!? つんと来るにおいに、ざわっとした。山                         や森ではいまごろ、母さんグマが子育てのまっ最中だろう。そっと遠くで                         見守りながら共存したい。(絵本作家)

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